天使論 (1) 天使の存在

天使論は、「天使・サタン・悪霊論シリーズ」のひとつです。
天使論では、以下の4記事に分けて学んでいきます。

天使論 (1) 天使の存在
天使論 (2) 天使の特徴
天使論 (3) 天使の組織
天使論 (4) 天使の働き

この記事は、天使論 (1) 天使の存在 を取り上げます。
具体的には、以下の5項目です。

聖書が語る天使の存在
聖書中の天使の名称
イエスによる天使の言及
新約聖書での天使の言及
旧約聖書での天使の言及
「天使の存在」のまとめ

引用聖句は、必要に応じ、アコーディオン機能(▼)をクリックしてお読み下さい。聖句内の「天使」や「御使い」は太字表示してあります。

目次

天使は本当に存在する?

天使は存在します。神のことばである「聖書」が、天使の存在を証明しているのです。

特に、イエス・キリストの教えの中で多く言及されています。それだけでなく、新約聖書・旧約聖書を通じて至る所で言及されています。しかも、特定の書や特定の著者に限定されません。

まずは、聖書の中で天使がどう呼ばれているか、つまり天使の名称について押さえておきましょう。

天使の他の呼び方は?

天使は、さまざまな呼び方で言及されています。

(1) 御使い
(2) 神の子たち 
(3) その他の呼び方

御使い

御使いという呼び方は、旧約聖書と新約聖書を通して、一番よく使われています。

ただし、主の使い神の使い【主】の御使い と呼ばれるとき、天使のことではありません。特に単数の場合は、受肉前のイエス・キリスト、つまり第二位格の神を指します。

創世記 16:7~13

16:7 主の使いは、荒野にある泉のほとり、シュルへの道にある泉のほとりで、彼女を見つけた。 8 そして言った。「サライの女奴隷ハガル。あなたはどこから来て、どこへ行くのか。」すると彼女は言った。「私の女主人サライのもとから逃げているのです。」 9 主の使いは彼女に言った。「あなたの女主人のもとに帰りなさい。そして、彼女のもとで身を低くしなさい。」  10 また、主の使いは彼女に言った。「わたしはあなたの子孫を増し加える。それは、数えきれないほど多くなる。」 11 さらに、主の使いは彼女に言った。 「見よ。あなたは身ごもって 男の子を産もうとしている。 その子をイシュマエルと名づけなさい。主が、あなたの苦しみを聞き入れられたから。 12 彼は、野生のろばのような人となり、 その手は、すべての人に逆らい、 すべての人の手も、彼に逆らう。 彼は、すべての兄弟に敵対して住む。」 13 そこで、彼女は自分に語りかけた主の名を「あなたはエル・ロイ」と呼んだ。彼女は、「私を見てくださる方のうしろ姿を見て、なおも私がここにいるとは」と言ったのである。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

創世記 21:17

21:17 神は少年の声を聞かれ、神の使いは天からハガルを呼んで言った。「ハガルよ、どうしたのか。恐れてはいけない。神が、あそこにいる少年の声を聞かれたからだ。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

創世記 22:11~12

22:11 そのとき、主の使いが天から彼に呼びかけられた。「アブラハム、アブラハム。」彼は答えた。「はい、ここにおります。」 12 御使いは言われた。「その子に手を下してはならない。その子に何もしてはならない。今わたしは、あなたが神を恐れていることがよく分かった。あなたは、自分の子、自分のひとり子さえ惜しむことがなかった。」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

神の子たち

天使が「神の子たち」、「神の子ら」と呼ばれるのは、旧約聖書においてのみです。常に複数形です。

創世記 6:2

6:2 神の子らは、人の娘たちが美しいのを見て、それぞれ自分が選んだ者を妻とした。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ヨブ記 1:6

6 ある日、神の子らがやって来て、主の前に立った。サタンもやって来て、彼らの中にいた。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ヨブ記 2:1

2:1 ある日、神の子らがやって来て、主の前に立った。サタンも彼らの中にやって来て、主の前に立った。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ヨブ記 38:7

38:7明けの星々がともに喜び歌い、
神の子たちがみな喜び叫んだときに。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ただし、新約聖書の中で単数形で「神の子」という場合は、ほとんどの場合、イエス・キリストを指します。
ほとんどの場合というのは、時に人間(信者)を指している箇所もあるからです。

マタイの福音書 5:9

5:9 平和をつくる者は幸いです。 その人たちは神の子どもと呼ばれるからです。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

その他の呼び方

神が送る天使たちを、「神の使いたち」と呼ぶことがあります。
ヘブル語は「マルアック」で、メッセンジャー、使者という意味です。
ただし、同じヘブル語の「マルアック」が使われていても、人間が送る使者を意味することがあります。

創世記 32:1

32:1 さて、ヤコブが旅を続けていると、神の使いたちが彼に現れた。 2 ヤコブは彼らを見たとき、「ここは神の陣営だ」と言って、その場所の名をマハナイムと呼んだ。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

創世記 32:3

32:3 ヤコブは、セイルの地、エドムの野にいる兄のエサウに、前もって使いを送った。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

続いては、「イエスによる天使の言及」を見ていきましょう。

イエスによる天使の言及は?

イエス・キリストによる天使の言及は、多岐にわたります。

(1) 荒野の誘惑
(2) 復活後の人間
(3) 信仰者の認知
(4) 義人と悪人の区別
(5) 再臨時の同伴
(6) 弟子の目撃

荒野の誘惑

天使たちは、荒野の誘惑の時、イエス・キリストに仕えました。これはキリストご自身による証言です。

マタイの福音書 4:11

11 すると悪魔はイエスを離れた。そして、見よ、御使いたちが近づいて来てイエスに仕えた。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

復活後の人間

復活後の人間は、天使のようになります。天使は、結婚せず子孫も残さないので、数が増えることはありません。

マタイの福音書 22:30

22:30 復活の時には人はめとることも嫁ぐこともなく、天の御使いたちのようです。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

信仰者の認知

イエス・キリストは、天使たちの前で信仰者を認めます。

ルカの福音書 12:8~9

12:8 あなたがたに言います。だれでも人々の前でわたしを認めるなら、人の子もまた、神の御使いたちの前でその人を認めます。9 しかし、人々の前でわたしを知らないと言う者は、神の御使いたちの前で知らないと言われます。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

義人と悪人の区別

天使たちは、この世の終わりに義人と悪人を分けます。

マタイの福音書 13:39, 41, 49

13:39 毒麦を蒔いた敵は悪魔であり、収穫は世の終わり、刈る者は御使いたちです。

13:41 人の子は御使いたちを遣わします。彼らは、すべてのつまずきと、不法を行う者たちを御国から取り集めて、

13:49 この世の終わりにもそのようになります。御使いたちが来て、正しい者たちの中から悪い者どもをより分け、

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

再臨時の同伴

イエス・キリストは、天使たちを伴って再臨します。

マタイの福音書 25:31

25:31 人の子は、その栄光を帯びてすべての御使いたちを伴って来るとき、その栄光の座に着きます。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

弟子の目撃

天使たちがイエス・キリストの上を上り下りする様子を、弟子たちが目撃することになるという預言です。

ヨハネの福音書 1:51

51 そして言われた。「まことに、まことに、あなたがたに言います。天が開けて、神の御使いたちが人の子の上を上り下りするのを、あなたがたは見ることになります。」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

新約聖書での天使の言及は?

新約聖書での天使に関しては、16もの書で言及されています。
回数としては、全体で165回、黙示録だけで65回です。


福音書の中では、キリストの誕生、公生涯、復活、昇天の全ての段階で、天使たちが関与していました。
使徒の働きの中では、天使が獄舎を開けました。
以下は、天使がパウロを励ましている箇所です。

使徒の働き 27:23~24

27:23 昨夜、私の主で、私が仕えている神の御使いが私のそばに立って、 24 こう言ったのです。『恐れることはありません、パウロよ。あなたは必ずカエサルの前に立ちます。見なさい。神は同船している人たちを、みなあなたに与えておられます。』
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

旧約聖書での天使の言及は?

旧約聖書での天使に関しては、18もの書で言及されています。回数は108回です。

創世記では、天使たちがアブラハムと会話したのちにソドムに行っています。
詩篇では、神を礼拝し、信者を助ける僕としての天使が描かれています。
イザヤ書ではセラフィムが、ダニエル書ではガブリエルが登場します。

創世記 19:1

19:1 その二人の御使いは、夕暮れにソドムに着いた。ロトはソドムの門のところに座っていた。ロトは彼らを見ると、立ち上がって彼らを迎え、顔を地に付けて伏し拝んだ。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

詩篇 34:7

34:7主の使いは 主を恐れる者の周りに陣を張り  彼らを助け出される。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

詩篇 91:11

91:11主が あなたのために御使いたちに命じて  あなたのすべての道で あなたを守られるからだ。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

詩篇 103:20

103:20主をほめたたえよ 主の御使いたちよ。  みことばの声に聞き従い みことばを行う 力ある勇士たちよ。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

イザヤ書 6:2

セラフィムがその上の方に立っていた。彼らにはそれぞれ六つの翼があり、二つで顔をおおい、二つで両足をおおい、二つで飛んでいて、

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

セラフィムとは、天使の一つの階級です。セラフィムの他には、「ケルビム」と「一般の天使」という階級があります。

ダニエル書 9:20~21

20 私がまだ語り、祈り、自分の罪と自分の民イスラエルの罪を告白し、私の神の聖なる山のために、私の神、主の前に伏して願いをささげていたとき、 21 すなわち、私がまだ祈りの中で語っていたとき、私が初めに幻の中で見たあの人ガブリエルが、すばやく飛んで来て私に近づいた。それは夕方のささげ物を献げるころであった。
セラフィムがその上の方に立っていた。彼らにはそれぞれ六つの翼があり、二つで顔をおおい、二つで両足をおおい、二つで飛んでいて、

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ガブリエルは、固有名詞です。「一般の天使」階級のひとりです。

ダニエル書 10:13

10:13 ペルシアの国の君が二十一日間、私に対峙して立っていたが、そこに最高位の君の一人ミカエルが私を助けに来てくれた。私がペルシアの王たちのところに残されていたからだ。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ミカエルは、固有名詞です。「一般の天使」階級の最高位である天使長をしています。

ダニエル書12:1

1 その時、あなたの国の人々を守る大いなる君 ミカエルが立ち上がる。国が始まって以来その時まで、 かつてなかったほどの苦難の時が来る。 しかしその時、あなたの民で、 あの書に記されている者はみな救われる。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ミカエルは、固有名詞です。「一般の天使」階級の最高位である天使長をしています。

「天使の存在」のまとめ

この記事は、天使論 (1) 天使の存在 の学びでした。
具体的には、以下の5項目を学んできました。

聖書が語る天使の存在
聖書中の天使の名称
イエスによる天使の言及
新約聖書での天使の言及
旧約聖書での天使の言及
「天使の存在」のまとめ

天使が存在するという事実は、数々の聖書箇所を通して裏付けされています。

特に、イエス・キリストの公生涯に天使が深く関わっていることは見落とせません。さらには、イエスの教えの中に天使に関する言及があることからも、当時の人たちに天使の存在が理解されていたことが分かります。

この記事を読む前に、天使に関する誤ったイメージを持っていた人がいるかもしれません。たとえば、こどもが死んだら天使になるとか、守護霊のようなものだ、などです。

この記事を通して、天使の存在に関して正しい理解が与えられたでしょうか。
あなたの信仰生活に、なんらかのお役にたてれば幸いです。

次回は、「天使論 (2) 天使の特徴」をご一緒に学んでいきましょう。

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