この記事では、「無垢の時代」について、できるだけ簡単にまた分かりやすく説明していきます。15分から20分程度でお読みいただけるかと思います。ぜひ最後までお読み下さい。
それでは、無垢の時代を学ぶにあたって、アウトラインを押さえておきましょう。全部で6項目あります。
- 「無垢の時代」の名称と中心人物
- 「無垢の時代」の責任とテスト
- 「無垢の時代」の裁きと恵み
- 「無垢の時代」の期間
- 「聖書的契約」との関係
それではさっそく、「無垢の時代」の名称と中心人物を見ていきましょう。
「無垢の時代」の名称と中心人物
「無垢の時代」という名称は、人間の心が神を慕い求める状態無垢の状態であることから付けられました。つまり、人類最初の人間であるアダムは、罪のない状態で創造されたのです。
罪の性質がないので、神に対してやましい気持ちを持つことがありません。それで、神を素直に慕い求めることができました。人間が神を慕い求めること、これこそが、神が人間に期待しておられることでした。
この、神が人間に期待している内容を、「神の統治原則」と言います。そして、「神の統治原則」が、それぞれの聖書的時代(ディスペンセーション)の名称に反映されます。
ですから、「無垢の時代」は「神を慕い求める時代」と言うことも、できるかと思います。
さて続いては、「無垢の時代」の中心人物と期間について見ていきましょう。
「無垢の時代」の中心人物と期間
「無垢の時代」の中心人物はアダムです。アダムは、自然界すべての管理人としての立場を与えられ、全人類の代表者として行動していました。
「無垢の時代」の期間は、アダムが創造された時から、アダムが罪を犯す時までの間です。
ここで、アダムの創造とアダムが犯した罪を、御言葉から確認しておきましょう。
創世記 2:7
神である主は、その大地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。それで人は生きるものとなった。
引用元 : 聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会
創世記 3:1~8
1 さて蛇は、神である主が造られた野の生き物のうちで、ほかのどれよりも賢かった。蛇は女に言った。「園の木のどれからも食べてはならないと、神は本当に言われたのですか。」
2 女は蛇に言った。「私たちは園の木の実を食べてもよいのです。
3 しかし、園の中央にある木の実については、『あなたがたは、それを食べてはならない。それに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ』と神は仰せられました。」
4 すると、蛇は女に言った。「あなたがたは決して死にません。
5 それを食べるそのとき、目が開かれて、あなたがたが神のようになって善悪を知る者となることを、神は知っているのです。」
6 そこで、女が見ると、その木は食べるのに良さそうで、目に慕わしく、またその木は賢くしてくれそうで好ましかった。それで、女はその実を取って食べ、ともにいた夫にも与えたので、夫も食べた。
7 こうして、ふたりの目は開かれ、自分たちが裸であることを知った。そこで彼らは、いちじくの葉をつづり合わせて、自分たちのために腰の覆いを作った。
8そよ風の吹くころ、彼らは、神である主が園を歩き回られる音を聞いた。それで人とその妻は、神である主の御顔を避けて、園の木の間に身を隠した。
引用元 : 聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会
以上の聖句から、アダムの心は罪を犯して以降、もはや無垢の状態ではないことがわかります。神を慕い求めるどころか、神を避ける状態になってしまったのですから。
こうして「無垢の時代」は、アダムが罪を犯した瞬間に終わりを告げました。
ちなみに、アダムが罪を犯してからの心の状態ですが、これは、「霊的な死」を意味しています。「霊的な死」とは、神との断絶です。
さらには、「霊的な死」はアダムひとりにとどまるものではありません。アダムのDNAを受け継ぐ人類全てが、霊的に死んだ状態で生まれてくるようになってしまいました。
さて、続いては、「無垢の時代」の責任とテストを見てみましょう。
「無垢の時代」の責任とテスト
どの聖書的時代(ディスペンセーション)でも、神が人間に期待することがあります。つまり人間に与えられる責任です。そして、その責任を果たすかどうかのテストもあります。
「無垢の時代」に人間に与えられた責任は、「エデン契約」に従うことです。そして、「無垢の時代」のテストは、エデン契約に従うかどうかです。
テストの結果は、不合格でした。取って食べたはならないと禁止されていた、善悪の知識の木を取って食べてしまったのです。こうしてエデン契約の責任は果たせませんでした。
アダムがテストに失敗した様子を、聖句で確認しておきましょう。
さて続いては、テストの失敗によって下された、神の裁きについて見ていきましょう。
「無垢の時代」の裁き
「無垢の時代」の神の裁きは、以下の4つあります。
霊的な死
どの聖書的時代(ディスペンセーション)でも、神が人間に期待することがあります。つまり人間に与えられる責任です。そして、その責任を果たすかどうかのテストもあります。
罪の自覚
罪を自覚は、犯した罪を悔いて自らを責める気持ち「罪責感」が生まれました。
エデンの園からの追放
被造世界の呪い
これらの裁きは、アダムだけに下ったのではありません。
アダム以降の全人類に対する裁きとなりました。なぜなら、アダムは「エデン契約」を、全人類の代表として結び、また全人類の代表として行動していたからです。
ところが、アダムの失敗にも関わらず、神からの恵みが与えられました。
「無垢の時代」の恵み
「無垢の時代」の恵みの要素は、3つあります。
救い主の約束
「女の子孫」である救い主が与えられることが、約束されました。
これは、「原福音」と呼ばれるものです。
創世記 3:15
15 わたしは敵意を、おまえと女の間に、 おまえの子孫と女の子孫の間に置く。 彼はおまえの頭を打ち、 おまえは彼のかかとを打つ。」
新日本聖書刊行会 翻訳. 旧約聖書 新改訳2017 (新改訳聖書センター) (p.19). INOCHINOKOTOBASHA. Kindle 版.
贖いの約束
救い主が与えられることは、とりもなおさず、贖いの約束でもあります。
創世記 3:21
21 神である主は、アダムとその妻のために、皮の衣を作って彼らに着せられた。
新日本聖書刊行会 翻訳. 旧約聖書 新改訳2017 (新改訳聖書センター) (p.20). INOCHINOKOTOBASHA. Kindle 版.
皮の衣が与えられたという事は、その衣を作るために動物の血が流されたということです。
この皮の衣が、「救い主による贖い」の型になっています。
つまり、贖いが約束されたといことです。
命の木からの守り
ちなみに、裁きであった「エデンの園からの追放」ですが、実はその裁きの中にも、神の恵みがあったといえます。
人類が罪のある状態で永遠に生きることのないように、守って下さったのです。
創世記 3:22~24
22 神である主はこう言われた。「見よ。人はわれわれのうちのひとりのようになり、善悪を知るようになった。今、人がその手を伸ばして、いのちの木からも取って食べ、永遠に生きることがないようにしよう。」
23 神である主は、人をエデンの園から追い出し、人が自分が取り出された大地を耕すようにされた。 24 こうして神は人を追放し、いのちの木への道を守るために、ケルビムと、輪を描いて回る炎の剣をエデンの園の東に置かれた。
新日本聖書刊行会 翻訳. 旧約聖書 新改訳2017 (新改訳聖書センター) (pp.20-21). INOCHINOKOTOBASHA. Kindle 版.
ここで、7つのディスペンセーションの、全体像を押さえておきましょう。
7つのディスペンセーション

さて、ここからは「聖書的契約」との関係について見ていきましょう。
「聖書的契約」との関係
まずは、「聖書的契約」のチャートをご覧ください。

チャートにあるように、エデン契約のあとアダム契約があり、ノア契約、アブラハム契約と続き、そしてモーセ契約があり、その後には土地の契約、ダビデ契約、新しい契約が続きます。以上が「8つの聖書的契約」です。
ちなみに、聖書的契約を8つ以上に分ける場合もありますが、本サイト「御言葉のレイ」では、8つの説に立っています。大事なのは数ではなく、神が人間と契約を結ばれるということにあります。
さて、「無垢の時代」と関連している「聖書的契約」は、エデン契約です。このエデン契約に従順かどうかを問われたのが、「無垢の時代」だったのです。
エデン契約は、条件付きの契約でした。そして、条件を満たせなかったために、破棄となってしまいました。条件とは、エデン契約で与えられた禁止令を守ることでした。
アダムの失敗を、聖句で確認しておきましょう。
創世記 3:1~6
1 さて蛇は、神である主が造られた野の生き物のうちで、ほかのどれよりも賢かった。蛇は女に言った。「園の木のどれからも食べてはならないと、神は本当に言われたのですか。」
2 女は蛇に言った。「私たちは園の木の実を食べてもよいのです。
3 しかし、園の中央にある木の実については、『あなたがたは、それを食べてはならない。それに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ』と神は仰せられました。」
4 すると、蛇は女に言った。「あなたがたは決して死にません。
5 それを食べるそのとき、目が開かれて、あなたがたが神のようになって善悪を知る者となることを、神は知っているのです。」
6 そこで、女が見ると、その木は食べるのに良さそうで、目に慕わしく、またその木は賢くしてくれそうで好ましかった。それで、女はその実を取って食べ、ともにいた夫にも与えたので、夫も食べた。
引用元 : 聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会
ここで、エデン契約の記事をご紹介しておきます。
さて、最後に簡単なまとめをしておきましょう。
まとめ
この記事では、「無垢の時代」について、以下の6点を見ていきました。
- 「無垢の時代」の名称
- 「無垢の時代」の期間と中心人物
- 「無垢の時代」の責任とテスト
- 「無垢の時代」の裁き
- 「無垢の時代」の恵み
- 「聖書的契約」との関係
所感
私が無垢の時代に関して学んだのは、ハーベスト・タイム・ミニストリーズ主催の聖書塾でした。聖書的契約を先に学んでからだったので、割と理解しやすかったです。
とはいうものの、蛇の存在に関する疑問がありました。そしてその疑問は、「天使論」や「サタン論・悪霊論」の学びに入るまでの間ずっと続きました。
聖書塾では2年と半年をかけてトータルの学びが提供されていたので、後になってスコンと腑に落ちるという体験を、何度もしました。疑問が解けた瞬間というのは、まさしく「目から鱗が落ちた」感じがします。本当に嬉しいものです。
サイト投稿のために復讐する機会が与えられて、理解がどんどん深まっていきます。自分が受けた祝福を、こうして共有できて感謝です。次の参考項目から学びに役立つものがあればご活用ください。
参考
本格的な学びを希望される方のために、関連サイトをまとめたリソースページをご用意しています。ぜひご一読下さい。
最後まで読み進めて下さり、本当にありがとうございました。次回は、「7つの聖書的時代」シリーズの(2)「良心の時代」について学んでいきましょう。