聖書的契約(4)アブラハム契約

このシリーズは、「8つの聖書的契約」の学びです。この記事では、「アブラハム契約」を取り上げます。
ノア契約に続く4つ目の契約です。

アブラハム契約で学ぶ項目は、以下の6点です。

  • 契約の聖句
  • 契約の当事者
  • 契約の条項
  • 契約の時期
  • 契約の有効性
  • 契約の要約
目次

アブラハム契約が書かれている聖書箇所は?

アブラハム契約について書かれている聖書箇所は、代表的なもので6箇所あります。
締結される前に3度、締結、締結後の更新、締結後の確認へと続きます。

  • 締結前の1度目の言及:創世記 12:1~3
  • 締結前の2度目の言及:創世記 12:7
  • 締結前の3度目の言及:創世記 13:14~17
  • 契約の締結:創世記 15:1~21
  • 締結後の更新:創世記 17~21
  • 締結後の確認:創世記 22:15~18

続いては、アブラハム契約の当事者を見ていきましょう。

アブラハム契約は誰と誰の間で交わされた?

アブラハム契約は、神とアブラハムとの間で交わされた契約です。

アブラハムは、個人としてではなく、ユダヤ民族の代表として、この契約を結びました。人類の代表としてではありません。それが、これ以前の3つの契約(エデン契約・アダム契約・ノア契約)と違うところです。

ユダヤ民族とは、アブラハム、イサク、ヤコブから出てくる子孫たちを指します。

続いては、アブラハム契約の条項を、6箇所の聖書箇所ごとに、御言葉から詳しく見ていきましょう。
聖書の引用は、必要に応じてご確認下さい。(右端の▲印で開閉できます。)

アブラハム契約に含まれる条項は?

締結前の1度目の言及

創世記 12:1~3

12:1 主はアブラムに言われた。 「あなたは、あなたの土地、 あなたの親族、あなたの父の家を離れて、 わたしが示す地へ行きなさい。 2 そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、 あなたを祝福し、 あなたの名を大いなるものとする。 あなたは祝福となりなさい。 3 わたしは、あなたを祝福する者を祝福し、あなたを呪う者をのろう。 地のすべての部族は、 あなたによって祝福される。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ここには2つの命令と、その命令に従った時の祝福が示されています。

①命令1:「あなたは、あなたの土地、 あなたの親族、あなたの父の家を離れて、 わたしが示す地へ行きなさい。」これは、今までの生活環境から分離せよとの命令です。

この命令を守れば、3つの祝福が約束されます。
祝福1:「わたしはあなたを大いなる国民とし」大いなる国民とはイスラエルの民を指します。
祝福2:「あなたを祝福し」物質的祝福と霊的祝福が伴います。
祝福3:「あなたの名を大いなるものとする」アブラハムの名は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の、「信仰の父」として崇められます。

②命令2:「あなたは祝福となりなさい。」
これは、周りの人々を祝福せよ、祝福の源になれという命令です。

この命令を守れば、3つの祝福が約束されます。
祝福1:「あなたを祝福する者を祝福し」アブラハムの子孫であるイスラエルの民全体に適用されます。
祝福2:「あなたを呪う者をのろう」敵対者は裁きを受けます。
祝福3:「地のすべての部族は、 あなたによって祝福される」異邦人の霊的祝福の預言で、異邦人にまで及ぶ祝福はこれだけです。

重要
神は、全人類を祝福するための方法として、アブラハムとその子孫(イスラエル)を選びました。
神の人類救済計画を理解するには、イスラエルと異邦人を一貫して区別する必要があります。

締結前の2度目の言及

創世記 12:7

12:7 はアブラムに現れて言われた。「わたしは、あなたの子孫にこの地を与える。」アブラムは、自分に現れてくださった主のために、そこに祭壇を築いた。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

主はアブラムに現れて言われた
これは、神の顕現を伴う語りかけでした。目に見える形で現れ、直接話しかけてくださったのです。

「わたしは、あなたの子孫にこの地を与える」
これまでは行く先を知らずに旅を続けてきたアブラハムですが、カナンの地に入ってからようやく、この土地こそが約束の地であることが示されました。

また、この土地の約束は、アブラハム個人に約束されたものではなく、「アブラハムの子孫」に約束されたものです。

「自分に現れてくださった主のために、そこに祭壇を築いた」
の顕現に対してアブラハムは、祭壇を築く事で応答しました。
ちなみに、祭壇の建築は、これ以降の族長たち(イサク、ヤコブ)の習慣になっていきます。

締結前の3度目の言及

創世記 13:14~17

13:14 ロトがアブラムから別れて行った後、主はアブラムに言われた。「さあ、目を上げて、あなたがいるその場所から北、南、東、西を見渡しなさい。 15 わたしは、あなたが見渡しているこの地をすべて、あなたに、そしてあなたの子孫に永久に与えるからだ。 16 わたしは、あなたの子孫を地のちりのように増やす。もし人が、地のちりを数えることができるなら、あなたの子孫も数えることができる。17 立って、この地を縦と横に歩き回りなさい。わたしがあなたに与えるのだから。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

この時のアブラハムは、信仰の失敗(エジプト移住)を経て、神に立ち返っていました。そしてロトとの別れによってこの世との分離をも果たしていました。

「さあ、目を上げて、あなたがいるその場所から北、南、東、西を見渡しなさい。」
神はカナンの地、4方向を見渡すように命令しました。ロトが選んだ地も含みます。

重要
「さあ」という神からの呼びかけは、旧約聖書で406回も出てきます。
ですが、神から人への呼びかけとしては、たった4回しか使われていません。
ここが一番最初の箇所です。
2回目、息子誕生の約束(創世記15:5)
3回目、イサク奉献の命令(創世記22:2)
4回目、エジプト人から贈り物を集める命令(出エジプト11:2)
これによって、今回の語りかけの重要性がわかるはずです。

「わたしは、あなたが見渡しているこの地をすべて、あなたに、そしてあなたの子孫に永久に与える」
これは、アブラハムの子孫に永久に与えられるという、土地の約束です。
この約束は、将来訪れる千年王国で成就します。

「わたしは、あなたの子孫を地のちりのように増やす」
これは、アブラハムに子孫が与えられるという約束です。さらに、その子孫たちが増え広がるという約束です。

「立って、この地を縦と横に歩き回りなさい。」
これは、実際に歩かせることによって、土地に対する所有権を確認させたのです。この行為によって、アブラハムは土地の権利の主張をしたことになります。

契約の締結

今まで3度にわたり言及されてきたアブラハム契約ですが、ついに正式な締結の時を迎えます。

創世記 15:1~6

1 これらの出来事の後、主のことばが幻のうちにアブラムに臨んだ。 「アブラムよ、恐れるな。 わたしはあなたの盾である。 あなたへの報いは非常に大きい。」 2 アブラムは言った。「神、主よ、あなたは私に何を下さるのですか。私は子がないままで死のうとしています。私の家の相続人は、ダマスコのエリエゼルなのでしょうか。」 3さらに、アブラムは言った。「ご覧ください。あなたが子孫を私に下さらなかったので、私の家のしもべが私の跡取りになるでしょう。」 4 すると見よ、主のことばが彼に臨んだ。「その者があなたの跡を継いではならない。ただ、あなた自身から生まれ出てくる者が、あなたの跡を継がなければならない。」  
5 そして主は、彼を外に連れ出して言われた。「さあ、天を見上げなさい。星を数えられるなら数えなさい。」さらに言われた。「あなたの子孫は、このようになる。」6 アブラムは主を信じた。それで、それが彼の義と認められた。  
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

契約の儀式に入る前に、神はアブラハムの信仰を確認します。

「あなた自身から生まれ出てくる者が、あなたの跡を継がなければならない」(15:4)
これは、アブラハムに息子が与えられるという約束です。

「さあ、天を見上げなさい。星を数えられるなら数えなさい。」さらに言われた。「あなたの子孫は、このようになる」(15:5)
これは、アブラハムの子孫が数えきれないほど増えるという約束です。

アブラムは主を信じた。それで、それが彼の義と認められた」(15:6)
これは、アブラハムが義と認められた理由が、主を信じたから、つまり信仰によって義とされたことを示します。これを「信仰義認」と言います。

重要:信仰義認
神から義と認められる方法は、たった一つだけです。
それは、信じることです。
何らかの行いによって認められるのではありません。
文字通り、信仰によって義と認められるということです。
信じる内容は、その時代時代、また個人個人によって違います。
それは、神からどれだけの啓示が与えられていたかによるからです。

「わたしは、この地をあなたの所有としてあなたに与えるために、カルデア人のウルからあなたを導き出した【主】である。」(15:7)
これは、契約の当事者が神であること、そして、神のご性質が強調されています。
この【主】とは、ヤハウェ(固有名詞)で、強調されているのは、契約を守られるというご性質です

創世記15:9~10

9 すると主は彼に言われた。「わたしのところに、三歳の雌牛と、三歳の雌やぎと、三歳の雄羊と、山鳩と、鳩のひなを持って来なさい。」 10 彼はそれらすべてを持って来て、真っ二つに切り裂き、その半分を互いに向かい合わせにした。ただし、鳥は切り裂かなかった。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、アブラハム契約が「血の契約」であることを示しています。
「血の契約」とは、色々な契約の中で最も厳粛な契約です。儀式の際に動物の血を流すことからその名が付けられています。

古代近東では、最も厳粛な契約を結ぶ際に、動物を二つに裂き、その間を契約の当事者が通るという儀式が行われました。

この儀式には、「契約を破った者はこの動物のようになる」という意味がこめられていて、それに同意した上での契約なのです。
つまり、契約違反という「罪」には、死という「罰」が伴う、命(血)をかけた厳粛な契約だといえます。

創世記15:12, 17

12 日が沈みかけたころ、深い眠りがアブラムを襲った。そして、見よ、大いなる暗闇の恐怖が彼を襲った。

17 日が沈んで暗くなったとき、見よ、煙の立つかまどと、燃えているたいまつが、切り裂かれた物の間を通り過ぎた。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ここでは、アブラハム契約が片務契約(無条件契約)であることを示しています。
片務契約(無条件契約)とは、片方の当事者だけが義務を負い、もう片方は無条件で恩恵を受けるだけの契約です。

切り裂かれた物の間を通り過ぎたのは「煙の立つかまどと、燃えているたいまつ」(シャカイナ・グローリー)だけでした。アブラハムは、深い眠りに襲われていたので、歩いてはいません。

用語説明:シャカイナ・グローリー

神がご自分の臨在を現すとき、人間に見えたり聞こえたりできる現象を用いる時があります。
例えば、光、火、煙、雲、雷、雹、角笛の音などです。

語源ですが、「シャカイナ」はヘブル語の名詞で、「シャカン(隣人の間に住む)」という動詞からきています。また、「グローリー」は英語で「栄光」という意味です。
この2つの言葉を組み合わせて、「神の臨在に伴う栄光」という意味となります。

創世記 15:13~16

13 主はアブラムに言われた。「あなたは、このことをよく知っておきなさい。あなたの子孫は、自分たちのものでない地で寄留者となり、四百年の間、奴隷となって苦しめられる。 14 しかし、彼らが奴隷として仕えるその国を、わたしはさばく。その後、彼らは多くの財産とともに、そこから出て来る。 15 あなた自身は、平安のうちに先祖のもとに行く。あなたは幸せな晩年を過ごして葬られる。 16 そして、四代目の者たちがここに帰って来る。それは、アモリ人の咎が、その時までに満ちることがないからである。」  
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ここでは、契約締結と当時に「4つの預言」が示されています。

①「あなたの子孫は、自分たちのものでない地で寄留者となり、四百年の間、奴隷となって苦しめられる」(15:13)
これは、アブラハムの子孫たちが、他国(エジプト)で400年間奴隷生活を送るという預言です。

②「しかし、彼らが奴隷として仕えるその国を、わたしはさばく。その後、彼らは多くの財産とともに、そこから出て来る」(15:14)
これは、エジプトに対する裁きと、出エジプトの預言です。
アブラハム契約には、「あなたを呪うものは呪われる」という付帯条項がありました。

③「そして、四代目の者たちがここに帰って来る」(15:16)
これは、約束の地に戻ってくる子孫たちは、4代目であるという預言です。
ちなみに、ここでの1代は100年を差します。

④「あなた自身は、平安のうちに先祖のもとに行く。あなたは幸せな晩年を過ごして葬られる」(15:15)
これは、アブラハム個人の、平安に関する預言です。

重要:契約の基本条項
アブラハム契約の基本条項は、「神は、イスラエルの民を用いて、全人類を救う」ということです。

ちなみに、契約に追加条項が加えられることはありますが、基本条項が変更されることはありません。

ですから、イスラエルの民が「選びの民」であることは、変わることがないのです。

創世記15:18

18 その日、主はアブラムと契約を結んで言われた。「あなたの子孫に、わたしはこの地を与える。エジプトの川から、あの大河ユーフラテス川まで。 19 ケニ人、ケナズ人、カデモニ人、 20 ヒッタイト人、ペリジ人、レファイム人、 21 アモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人の地を。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ここでは、土地の約束に関する新たな啓示が示されています。
土地の約束はすでに与えられていましたが、この時はじめて、境界線が明らかにされました。
・南の境界線は、エジプトの川(ナイル川支流の、東端の川)
・北の境界線は、ユーフラテス川

このように、以前与えられていなかった啓示が、時を経てからようやく与えられるというケースが、よくあります。

用語説明:漸進的(ぜんしんてき)啓示

神からの啓示は、段階を経て、時間をおって、徐々に与えられていきます。
古い啓示の上に、新しい啓示が積み重なって、全体像に近づいていくのです。

締結後の更新

創世記 17:1~21

17:1 さて、アブラムが九十九歳のとき、主はアブラムに現れ、こう言われた。「わたしは全能の神である。あなたはわたしの前に歩み、全き者であれ。 2 わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に立てる。わたしは、あなたを大いに増やす。」 3 アブラムはひれ伏した。神は彼にこう告げられた。 4 「これが、あなたと結ぶわたしの契約である。あなたは多くの国民の父となる。 5 あなたの名は、もはや、アブラムとは呼ばれない。あなたの名はアブラハムとなる。わたしがあなたを多くの国民の父とするからである。 6 わたしは、あなたをますます子孫に富ませ、あなたをいくつもの国民とする。王たちが、あなたから出てくるだろう。 7 わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に、またあなたの後の子孫との間に、代々にわたる永遠の契約として立てる。わたしは、あなたの神、あなたの後の子孫の神となる。 8 わたしは、あなたの寄留の地、カナンの全土を、あなたとあなたの後の子孫に永遠の所有として与える。わたしは彼らの神となる。」  
9 また神はアブラハムに仰せられた。「あなたは、わたしの契約を守らなければならない。あなたも、あなたの後の子孫も、代々にわたって。 10 次のことが、わたしとあなたがたとの間で、またあなたの後の子孫との間で、あなたがたが守るべきわたしの契約である。あなたがたの中の男子はみな、割礼を受けなさい。 11 あなたがたは自分の包皮の肉を切り捨てなさい。それが、わたしとあなたがたとの間の契約のしるしとなる。 12 あなたがたの中の男子はみな、代々にわたり、生まれて八日目に割礼を受けなければならない。家で生まれたしもべも、異国人から金で買い取られた、あなたの子孫ではない者もそうである。 13 あなたの家で生まれたしもべも、金で買い取った者も、必ず割礼を受けなければならない。わたしの契約は、永遠の契約として、あなたがたの肉に記されなければならない。 14 包皮の肉を切り捨てられていない無割礼の男、そのような者は、自分の民から断ち切られなければならない。わたしの契約を破ったからでからである。」  
15 また神はアブラハムに仰せられた。「あなたの妻サライは、その名をサライと呼んではならない。その名はサラとなるからだ。 16 わたしは彼女を祝福し、彼女によって必ずあなたに男の子を与える。わたしは彼女を祝福する。彼女は国々の母となり、もろもろの民の王たちが彼女から出てくる。」 17 アブラハムはひれ伏して、笑った。そして心の中で言った。「百歳の者に子が生まれるだろうか。サラにしても、九十歳の女が子を産めるだろうか。」 18 そして、アブラハムは神に言った。「どうか、イシュマエルが御前で生きますように。」 19 神は仰せられた。「いや、あなたの妻サラが、あなたに男の子を産むのだ。あなたはその子をイサクと名づけなさい。わたしは彼と、わたしの契約を立て、それを彼の後の子孫のために永遠の契約とする。 20 イシュマエルについては、あなたの言うことを聞き入れた。必ず、わたしは彼を祝福し、子孫に富ませ、大いに増やす。彼は十二人の族長たちを生む。わたしは彼を大いなる国民とする。21 しかし、わたしがわたしの契約を立てるのは、サラが来年の今ごろあなたに産むイサクとの間にである。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

契約締結の後、新たな条項が追加され、契約は更新されました。

①「あなたの名は、もはや、アブラムとは呼ばれない。あなたの名はアブラハムとなる」(17:5)
「わたしがあなたを多くの国民の父とするから」
これは、改名の命令です。その理由は、「多くの国民の父」になるほどに、子孫繁栄の祝福を受けるからです。
アブラハムの改名前の名は、アブラムでした。その名の意味は、「高く上げられた父」です。
そして、アブラハムという名の意味は、「多くの国民の父」です。

②「 わたしは、あなたをますます子孫に富ませ、あなたをいくつもの国民とする」(17:5a)
これは、子孫繁栄によって、いくつもの国ができるという約束です。

③「王たちが、あなたから出てくるだろう」(17:5b)
これは、アブラハムの子孫から、国々の王が出るという約束です。
と同時に、アブラハムの子孫から、救い主(メシア)が出るというメシア預言にもなっています。

④「わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に、またあなたの後の子孫との間に、代々にわたる永遠の契約として立てる。わたしは、あなたの神、あなたの後の子孫の神となる」 (17:7)
これは、アブラハム契約が、アブラハムの子孫に継承されるという約束です。

⑤「わたしは、あなたの寄留の地、カナンの全土を、あなたとあなたの後の子孫に永遠の所有として与える」(17:8)
これは、約束の地(カナン)全土が、アブラハムの子孫にも与えられるという約束です。
(この約束の成就は、のちにくる「千年王国」で起こります。)

⑥「あなたがたの中の男子はみな、代々にわたり、生まれて八日目に割礼を受けなければならない」(17:12)
これは、生まれて八日目に割礼せよという命令です。

締結後の確認

創世記 22:15~18

22:15 主の使いは再び天からアブラハムを呼んで、 16 こう言われた。「わたしは自分にかけて誓う──主のことば──。あなたがこれを行い、自分の子、自分のひとり子を惜しまなかったので、 17 確かにわたしは、あなたを大いに祝福し、あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように大いに増やす。あなたの子孫は敵の門を勝ち取る。 18 あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。あなたが、わたしの声に聞き従ったからである。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ここは、アブラハム契約の最終的な確認になっています。
アブラハムのイサク奉献のあと、主の使いによって語られました。

アブラハム個人の祝福にとどまらず、子孫は、量的にも質的にも祝福されます。
さらに、地のすべての国々は、アブラハムの子孫を通して祝福を受けるようになります。

さて続いては、アブラハム契約の時期を見てみましょう。

アブラハム契約はいつ結ばれた?

アブラハム契約は、「約束の時代」に結ばれました。
そして、「約束の時代」の土台となる契約でした。

「約束の時代」とは、聖書の創世記 12章1節から出エジプト18章27節までにあたり、アブラハムの召命から律法付与までの時代区分を指します。

それぞれの時代区分の名前は、その時代における「神の統治原則」がつけられています。ですから、この時代に、神が人類を統治する原則は、「神の約束」という事です。

神の視点では、アブラハム契約で具体的に与えた「約束」によって、人々を導くということになります。
そして人間の視点では、神から与えられている「約束」に従って生きることによって、神との関係を健全に保つことができるということになります。

続いては、アブラハム契約の有効性について考えてみましょう。

アブラハム契約は今も有効ですか?

アブラハム契約は、今も有効です。

なぜかというと、アブラハム契約が無条件契約(片務契約)だからです。無条件契約は、神の恵みによって保証されています。
ですから、人間側の落ち度に関係なく、いつまでも有効なのです。

ちなみに、無条件契約(片務契約)の他には、条件付き契約(双務契約)があります。それは人間側の落ち度によって無効となる契約です。8つの聖書的契約の中では、「エデン契約」と「モーセ契約」の2つだけが条件つき契約で、それらは無効となりました。

それでは最後に、アブラハム契約の要約をしていきましょう。

アブラハム契約のまとめ

この記事で、アブラハム契約について学んだ項目は、以下の6点です。

  • 契約の聖句
  • 契約の当事者
  • 契約の条項
  • 契約の時期
  • 契約の有効性
  • 契約の要約

アブラハム契約は、8つの聖書的契約の4番目の契約でした。
ここで、8つの聖書的契約の全体像を、しっかり押さえておきましょう。

  • エデン契約
  • アダム契約
  • ノア契約
  • アブラハム契約
  • モーセ契約
  • 土地の契約
  • ダビデ契約
  • 新しい契約

8つの聖書的契約を総合的に学びたい方へ

また、アブラハム契約が、「約束の時代」の土台となる契約だということも学びました。

そこで、7つのディスペンセーションも押さえておきましょう。ディスペンセーションとは、各時代区分にみられる、神の統治原則のことです。

  • 無垢の時代
  • 良心の時代
  • 人間統治の時代
  • 約束の時代
  • 律法の時代
  • 恵みの時代
  • 御国の時代

7つのディスペンセーションを総合的に学びたい方へ

この記事の参考資料

1.ディスペンセーショナリズムQ/A
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

2. 聖書が教える霊的戦いー神の国と悪魔の国の葛藤ー 
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

3. Clay解説コレクション  
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

4. 中川牧師の一日一章
中川健一著 イーグレース

5. ハーベスト聖書塾 神学講座 
(聖書塾生専用教材)
ハーベスト・タイム・ミニストリーズ 

これらは、以下のリンクから購入可能です。
・日本版
ハーベストタイムミニストリーズ オンラインショップ
https://harvestshop.net/jp/

・U.S.A版
HarvestTime Ministries U.S.A. Online Shop
https://harvestshop.net/us/

・デジタル版
Harvest Degital Shop (ダウンロード専用教材)
https://harvestdigital.shop/

ディスペンセーション神学を本格的に学びたい方は、関連サイトページをご参照下さい。

以下は、8つの聖書的契約と7つのディスペンセーションの関係が一目で分かるチャートです。まだダウンロードや印刷をしていない方は、この機会にどうぞ。


最後まで一緒に学んでくださり、本当にありがとうございました。この記事が、あなたの信仰生活のお役に立てれば幸いです。

次回は、聖書的契約シリーズ(5)モーセ契約について、ご一緒に学んでいきましょう。

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