聖書的契約(7)ダビデ契約

このシリーズは、「8つの聖書的契約」の学びです。この記事では、「ダビデ契約」を取り上げます。
土地の契約に続くつ7つ目の契約です。

ダビデ契約は、アブラハム契約の中の「子孫に関する条項」が、別の契約として結ばれたものです。

上の図にあるように、アブラハム契約には、祝福、土地、子孫に関する条項が含まれていました。それぞれの条項は、時の経過と共に具体化されて、契約として確立していきました。

重要:漸進的啓示(ぜんしんてきけいじ)
神は、時の経過とともに、徐々に段階をおって、ご自分のご計画を明らかにしていかれます。これを漸進的啓示といいます。

ダビデ契約で学ぶ項目は、以下の6点です。

  • 契約の聖句
  • 契約の当事者
  • 契約の条項
  • 契約の時期
  • 契約の有効性
  • 契約の要約
目次

ダビデ契約が書かれている聖書箇所は?

ダビデ契約は、第二サムエル記7章11節から16節、そして第一歴代史17章10節から14節に書かれています。
同じような内容ですが、第二サムエル記は「ソロモン」に重点を置かれています。それに対し、第一歴代史は、「メシア(救い主)」に重点が置かれています。

手元に聖書をお持ちでしたら、ぜひご自分の聖書を開いてお読み下さい。(右端の▲印で開閉できます。)

第二サムエル記 7:11~16

7:11 …….主はあなたに告げる。主があなたのために一つの家を造る、と。 12 あなたの日数が満ち、あなたが先祖とともに眠りにつくとき、わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子をあなたの後に起こし、彼の王国を確立させる。 13 彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえまでも堅く立てる。 14 わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。彼が不義を行ったときは、わたしは人の杖、人の子のむちをもって彼を懲らしめる。 15 しかしわたしの恵みは、わたしが、あなたの前から取り除いたサウルからそれを取り去ったように、彼から取り去られることはない。 16 あなたの家とあなたの王国は、あなたの前にとこしえまでも確かなものとなり、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。』」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第一歴代史 17:10~14

17:10 …….今、わたしはあなたに告げる。主があなたのために一つの家を建てる、と。 11 あなたの日数が満ち、あなたが先祖のもとに行くとき、わたしはあなたの息子の中から、あなたの後に世継ぎの子を起こし、彼の王国を確立させる。12 彼はわたしのために一つの家を建て、わたしは彼の王座をとこしえまでも堅く立てる。 13 わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。わたしの恵みを、わたしはあなたより前にいた者から取り去ったが、彼からはそのように取り去ることはしない。 14 わたしは、わたしの家とわたしの王国の中に、彼をとこしえまでも立たせる。彼の王座はとこしえまでも堅く立つ。』」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

続いては、これらの御言葉を元に、ダビデ契約の当事者を見ていきましょう。

ダビデ契約は誰と誰の間で交わされた?

ダビデ契約は、神とダビデとの間で交わされた契約です。
ダビデは、個人としてではなく、ダビデ家の代表としてこの契約を結びました。

続いては、ダビデ契約の条項について、くわしく見ていきましょう。

ダビデ契約に含まれる条項は?

ダビデ契約に含まれる条項は、以下の7つです。
ソロモンに関する預言と、永遠に続くものに関する預言が含まれます。

① ソロモンの王位継承
② ソロモンの神殿建設
③ ソロモンの不従順

④ 永遠の王朝
⑤ 永遠のメシア(ダビデの子孫)
⑥ 永遠の王座・王国

ソロモンの王位継承

第二サムエル記 7:12

7:12 あなたの日数が満ち、あなたが先祖とともに眠りにつくとき、わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子をあなたの後に起こし、彼の王国を確立させる。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、ソロモンが王になるという預言です。

過去においては、ダビデ王の息子であるアブシャロムやアドニアが王位継承を狙い暗躍しました。ですが、神はそれをお許しになりませんでした。
王位継承者は、神の約束通りソロモンになりました。

ソロモンの神殿建設

第二サムエル記 7:13

7:13 彼はわたしの名のために一つの家を建て…..

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、ソロモン王が神殿を建設するという預言です。
聖句にある「家」とは「神殿」を意味します。

過去においては、神殿を建設することはダビデ王が節に願ったことでした。ですが、神はそれをお許しにはなりませんでした。その理由は、ダビデが戦士であり多くの血を流してきたからです。

神殿建設は、神の約束通りソロモン王によって成し遂げられました。

ソロモンの不従順

第二サムエル記 7:14~15

14 わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。彼が不義を行ったときは、わたしは人の杖、人の子のむちをもって彼を懲らしめる。 15 しかしわたしの恵みは、わたしが、あなたの前から取り除いたサウルからそれを取り去ったように、彼から取り去られることはない。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

この預言は、ソロモンの不従順に対する取り扱いに関するものです。ソロモンの場合、しかるべき裁きがありますが、王座だけは守られます。

過去においては、サウル王の場合は、不従順の罰として王座を失いました。
それに対し、不従順になったソロモン王は、神の約束通り、王座を追われることはありませんでした。

永遠の王朝

第一歴代誌 17:10

17:10 ……. 今、わたしはあなたに告げる。主があなたのために一つの家を建てる、と。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第二サムエル記 7:16

7:16 あなたの家とあなたの王国は、あなたの前にとこしえまでも確かなものとなり、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。』」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、ダビデに永遠の王朝が約束されているという預言です。
聖句にある「家」は王朝のことを意味します。

用語説明:王朝

王朝とは、ひとつの家系・血筋・血統が王位を継承し続ける政治体制のことです。

永遠のメシア(ダビデの子孫)

第一歴代誌 17:11

17:11 あなたの日数が満ち、あなたが先祖のもとに行くとき、わたしはあなたの息子の中から、あなたの後に世継ぎの子を起こし、彼の王国を確立させる。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、「ダビデの子孫」からでるメシア(救い主イエス・キリスト)が王国を確立するという預言です。
ダビデの直接の息子ではなく、何代も後の子孫として来られる方を指しています。聖句に、『世継ぎの子』ではなく『世継ぎの子を起こし』とある通りです。

永遠の王座・王国

第一歴代誌 17:12

17:12 彼はわたしのために一つの家を建て、わたしは彼の王座をとこしえまでも堅く立てる。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第二サムエル記 7:13

7:13 …….わたしは彼の王国の王座をとこしえまでも堅く立てる。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

第二サムエル記 7:16

16 あなたの家とあなたの王国は、あなたの前にとこしえまでも確かなものとなり、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。』」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これらは、メシアの王座・王国がとこしえまでも堅く立つという預言です。

続いては、ダビデ契約の時期を見てみましょう。

ダビデ契約はいつ結ばれた?

ダビデ契約は、「律法の時代」が始まる時に結ばれました。
そして、「律法の時代」の土台となる契約でした。

「律法の時代」とは、聖書の出エジプト記 19章から使徒の働きの1章26節までにあたり、律法付与からカルバリの丘までの時代区分を指します。
それぞれの時代区分の名前は、その時代における「神の統治原則」がつけられています。ですから、律法の時代に、神が人類を統治する原則は、「律法」という事です。

神の視点では、モーセ契約で具体的に与えた「律法」によって、人々を導くということになります。
そして人間の視点では、神から与えられている「律法」に従って生きることによって、神との関係を健全に保つことができるということになります。

ちなみに、律法の時代には、ダビデ契約だけでなく、モーセ契約、土地の契約も結ばれています。

続いては、ダビデ契約の有効性について考えてみましょう。

ダビデ契約は今も有効ですか?

ダビデ契約は、今も有効です。

なぜかというと、ダビデ契約が無条件契約(片務契約))だからです。無条件契約は、神の恵みによって保証されているので、人間側の落ち度に関係なく、いつまでも有効なのです。

ちなみに、無条件契約(片務契約))の他には、条件付き契約(双務契約)があります。それは人間側の落ち度によって無効となる契約です。8つの聖書的契約の中では、「エデン契約」と「モーセ契約」の2つだけが条件つき契約で、それらは無効となりました。

それでは最後に、ダビデ契約の要約をしていきましょう。

ダビデ契約のまとめ

この記事で、ダビデ契約について学んだ項目は、以下の6点です。

  • 契約の聖句
  • 契約の当事者
  • 契約の条項
  • 契約の時期
  • 契約の有効性
  • 契約の要約

ダビデ契約は、8つの聖書的契約の7番目の契約でした。
ここで、8つの聖書的契約の全体像を、しっかり押さえておきましょう。

  • エデン契約
  • アダム契約
  • ノア契約
  • アブラハム契約
  • モーセ契約
  • 土地の契約
  • ダビデ契約
  • 新しい契約

8つの聖書的契約を総合的に学びたい方へ

また、ダビデ契約が、「律法の時代」の土台となる契約だということも学びました。

そこで、7つのディスペンセーションも押さえておきましょう。ディスペンセーションとは、各時代区分にみられる、神の統治原則のことです。

  • 無垢の時代
  • 良心の時代
  • 人間統治の時代
  • 約束の時代
  • 律法の時代
  • 恵みの時代
  • 御国の時代

7つのディスペンセーションを総合的に学びたい方へ

この記事の参考資料
  1. ディスペンセーショナリズムQ/A
    中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

2. 聖書が教える霊的戦いー神の国と悪魔の国の葛藤ー 
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

3. Clay解説コレクション 創世記 
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

4. 中川牧師の一日一章
中川健一著 イーグレース

5. ハーベスト聖書塾 神学講座 
(聖書塾生専用教材)
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https://harvestdigital.shop/

ディスペンセーション神学を本格的に学びたい方は、関連サイトページをご参照下さい。

以下は、8つの聖書的契約と7つのディスペンセーションの関係が一目で分かるチャートです。まだダウンロードや印刷をしていない方は、この機会にどうぞ。


最後まで一緒に学んでくださり、本当にありがとうございました。この記事が、あなたの信仰生活のお役に立てれば幸いです。

次回は、聖書的契約シリーズ(8)新しい契約について、ご一緒に学んでいきましょう。

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