聖書的契約(8)新しい契約

このシリーズは、「8つの聖書的契約」の学びです。この記事では、「新しい契約」を取り上げます。
ダビデ契約に続くつ8つ目の契約です。

上の図にあるように、アブラハム契約には、祝福、土地、子孫に関する条項が含まれていました。
そして「新しい契約」は、アブラハム契約の中の「祝福に関する条項」が、別の契約として結ばれたものです。

モーセ契約が無効になったのち、新しい契約が与えられました。
つまり、それぞれの条項が、時の経過と共に、より具体的な形で示されていったのです。

重要:漸進的啓示(ぜんしんてきけいじ)
神は、時の経過とともに、徐々に段階をおって、ご自分のご計画を明らかにしていかれます。これを漸進的啓示といいます。

さて、新しい契約で学ぶ項目は、以下の6点です。

  • 契約の聖句
  • 契約の当事者
  • 契約の条項
  • 契約の時期
  • 契約の有効性
  • 契約の要約
目次

新しい契約が書かれている聖書箇所は?

新しい契約が書かれている代表的な聖書箇所は、エレミヤ書の31章31節〜34節です。
手元に聖書をお持ちでしたら、ぜひご自分の聖書を開いてお読み下さい。(右端の▲印で開閉できます。)

エレミヤ書 31:31~34

31 見よ、その時代が来る──主のことば──。そのとき、わたしはイスラエルの家およびユダの家と、新しい契約を結ぶ。 32 その契約は、わたしが彼らの先祖の手を取って、エジプトの地から導き出した日に、彼らと結んだ契約のようではない。わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破った──主のことば──。 33 これらの日の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうである──主のことば──。わたしは、わたしの律法を彼らのただ中に置き、彼らの心にこれを書き記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。 34 彼らはもはや、それぞれ隣人に、あるいはそれぞれ兄弟に、『主を知れ』と言って教えることはない。彼らがみな、身分の低い者から高い高い者まで、わたしを知るようになるからだ──主のことば──。わたしが彼らの不義を赦し、もはや彼らの罪を思い起こさないからだ。」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これ以外にも、参考になる聖書箇所がいくつもあります。必要に応じて、ご確認ください。

・イザヤ書 55:3, 59:21, 61:8~9
・エレミヤ書 32:40
・エゼキエル書 16:60, 34:25~31, 37:26~28
・ローマ人への手紙 11:26~27

続いては、これらの御言葉を元に、新しい契約の当事者を見ていきましょう。

新しい契約は誰と誰の間で交わされた?

エレミヤ書 31:31

31:31 見よ、その時代が来る──主のことば──。そのとき、わたしはイスラエルの家およびユダの家と、新しい契約を結ぶ。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

新しい契約は、神と全イスラエルとの間で交わされた契約です。
聖句の「イスラエルの家およびユダの家」とは、全イスラエルのことを指します。イスラエルの2つの家と呼ばれることもあります。

ちなみにイスラエルという国は、ソロモン王の後、南北に分裂しました。そして、南はユダ、北はイスラエルと呼ばれました。

重要
新しい契約は、イスラエルとの契約であって、教会との契約ではありません。
教会は、契約の当事者ではありませんが、契約の恩恵にあずかることになります。

続いては、新しい契約の条項について、くわしく見ていきましょう。

新しい契約に含まれる条項は?

新しい契約に含まれる条項は、以下の6点です。

①モーセ契約の代替え
②イスラエルの国家的救い
③全ユダヤ人の救い
④罪の赦し
⑤聖霊の内住
⑥聖所の建設

モーセ契約の代替え

エレミヤ書 31:32

31:32 その契約は、わたしが彼らの先祖の手を取って、エジプトの地から導き出した日に、彼らと結んだ契約のようではない。わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破った──主のことば──。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、新しい契約が、モーセ契約とは全く別の契約であることを示しています。
新しい契約は、モーセ契約が無効になったため、それに取って代わる契約として与えられました。


イスラエルの国家的救い

エレミヤ書 31:33

31:33 これらの日の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうである──主のことば──。わたしは、わたしの律法を彼らのただ中に置き、彼らの心にこれを書き記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

イザヤ書 59:21

59:21 「これは、彼らと結ぶわたしの契約である──主は言われる──。あなたの上にあるわたしの霊、わたしがあなたの口に置いたわたしのことばは、あなたの口からも、あなたの子孫の口からも、子孫の子孫の口からも、今よりとこしえに離れない──主は言われる。」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、イスラエルが国家として救われることを預言しています。
つまり、イスラエルが霊的に回復するという約束です。

ちなみに、この預言が成就するのは、イエス・キリストの再臨直前になります。言い方を変えると、イスラエルの国家的救いが再臨の条件になっているのです。

全ユダヤ人の救い

エレミヤ書 31:34

31:34 彼らはもはや、それぞれ隣人に、あるいはそれぞれ兄弟に、『主を知れ』と言って教えることはない。彼らがみな、身分の低い者から高い高い者まで、わたしを知るようになるからだ──主のことば──。わたしが彼らの不義を赦し、もはや彼らの罪を思い起こさないからだ。」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

イザヤ書 61:9

61:9 彼らの子孫は国々のうちで、 末裔は諸国の民のうちで知れ渡る。 彼らを見る者はみな、 彼らが主に祝福された子孫であることを認める。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、全てのユダヤ人が救われるという預言です。
つまり、救われていないユダヤ人は一人もいない、という状態がやってきます。

ちなみに、この預言が成就するのは、「御国の時代」と呼ばれるメシア的王国(千年王国)においてです。

罪の赦し

エレミヤ書 31:34

31:34 …….わたしが彼らの不義を赦し、もはや彼らの罪を思い起こさないからだ。」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、「新しい契約」によって罪の赦しが与えられるということです。つまり、イスラエルの罪が取り去られるということです。

ちなみに、モーセ契約では、罪の赦しまでは与えられませんでした。罪が覆われるだけで、取り除かれることはなかったのです。

このように、新しい契約は、モーセ契約ができなかったことを、実現させることとなりました。

聖霊の内住

エレミヤ書 31:33

31:33 これらの日の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうである──主のことば──。わたしは、わたしの律法を彼らのただ中に置き、彼らの心にこれを書き記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

エゼキエル書 36:27

36:27 わたしの霊をあなたがたのうちに授けて、わたしの掟に従って歩み、わたしの定めを守り行うようにする。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、聖霊の内住が与えられるという預言です。
そして、聖霊の働きによって、神の戒めを守り行えるようになるという約束でもあります。

聖所の建設

エゼキエル書 37:26~28

37:26 わたしは彼らと平和の契約を結ぶ。これは彼らとの永遠の契約となる。わたしはそれを彼らに与え、彼らを増やし、わたしの聖所を彼らのうちに永遠に置く。 27 わたしの住まいは彼らとともにあり、わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。 28 わたしの聖所が永遠に彼らのうちにあるとき、諸国の民は、わたしがイスラエルを聖なる者とする主であることを知る。』」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

これは、聖所が建設されるという預言です。聖所とは神殿を意味します。

補足説明:神殿


・第一神殿は、ダビデ契約に基づいてソロモン王が建設した神殿です。
・第二神殿は、バビロン捕囚から帰還した民が建設した神殿です。この神殿は、ヘロデ王によって大改装されました。
    
・第三神殿は、将来のどの時点かで建設され、大患難期には反キリスト像が設置されると預言されている神殿です。
・第四神殿は、新しい契約に基づいて、メシア的王国(千年王国)で建設されると預言されている神殿です。神の御業を記念するという目的で用いられます。

聖句内で預言されている神殿は、第四神殿を指します。


さて続いては、新しい契約の時期を見てみましょう。

新しい契約はいつ結ばれた?

新しい契約は、「恵みの時代」に結ばれました。
そして、「恵みの時代」の土台となる契約です。

「恵みの時代」とは、使徒の働き2章1節から黙示録19章21節までにあたり、ペンテコステから大患難期までの時代区分を指します。
それぞれの時代区分の名前は、その時代における「神の統治原則」がつけられています。ですから、恵みの時代に、神が人類を統治する原則は、「新しい契約」という事です。

神の視点では、新しい契約で具体的に与えた「律法」によって、人々を導くということになります。
そして人間の視点では、神から与えられている「律法」に従って生きることによって、神との関係を健全に保つことができるということになります。

続いては、新しい契約の有効性について考えてみましょう。

新しい契約は今も有効ですか?

新しい契約は、今も有効です。

なぜかというと、新しい契約が無条件契約(片務契約)だからです。無条件契約は、神の恵みによって保証されています。
ですから、人間側の落ち度に関係なく、いつまでも有効なのです。

ちなみに、無条件契約(片務契約)の他には、条件付き契約(双務契約)があります。それは人間側の落ち度によって無効となる契約です。8つの聖書的契約の中では、「エデン契約」と「モーセ契約」の2つだけが条件つき契約で、それらは無効となりました。

それでは最後に、新しい契約の要約をしていきましょう。

新しい契約のまとめ

この記事で、新しい契約について学んだ項目は、以下の6点です。

  • 契約の聖句
  • 契約の当事者
  • 契約の条項
  • 契約の時期
  • 契約の有効性
  • 契約の要約

新しい契約は、8つの聖書的契約の8番目、最後の契約でした。
ここで、8つの聖書的契約の全体像を、しっかり押さえておきましょう。

  • エデン契約
  • アダム契約
  • ノア契約
  • アブラハム契約
  • モーセ契約
  • 土地の契約
  • ダビデ契約
  • 新しい契約

8つの聖書的契約を総合的に学びたい方へ

また、新しい契約が、「恵みの時代」の土台となる契約だということも学びました。

そこで、7つのディスペンセーションも押さえておきましょう。ディスペンセーションとは、各時代区分にみられる、神の統治原則のことです。

  • 無垢の時代
  • 良心の時代
  • 人間統治の時代
  • 約束の時代
  • 律法の時代
  • 恵みの時代
  • 御国の時代

7つのディスペンセーションを総合的に学びたい方へ

この記事の参考資料
  1. ディスペンセーショナリズムQ/A
    中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

2. 聖書が教える霊的戦いー神の国と悪魔の国の葛藤ー 
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

3. Clay解説コレクション 創世記 
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

4. 中川牧師の一日一章
中川健一著 イーグレース

5. ハーベスト聖書塾 神学講座 
(聖書塾生専用教材)
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ディスペンセーション神学を本格的に学びたい方は、関連サイトページをご参照下さい。

以下は、8つの聖書的契約と7つのディスペンセーションの関係が一目で分かるチャートです。まだダウンロードや印刷をしていない方は、この機会にどうぞ。


最後まで一緒に学んでくださり、本当にありがとうございました。この記事が、あなたの信仰生活のお役に立てれば幸いです。

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