このシリーズは、「7つのディスペンセーション」の学びです。この記事では、「律法の時代」を取り上げます。
7つのディスペンセーションの中で、5番目のディスペンセーションです。
律法の時代で学ぶ項目は、以下の7点です。
- 期間と聖書箇所
- 時代の名称
- 時代の中心人物
- 神の統治原則
- 人間の責任と失敗
- 神の裁きと恵み
- 律法の時代の要約
律法の時代はいつからいつまで?
律法の時代は、律法の付与から、中間時代(旧約聖書と新約聖書の間)を経て、ペンテコステ前までの期間です。
ちなみに、律法の時代は、ある意味キリストの死とともに終わりました。なぜなら、モーセの律法が無効になったことは、神殿の幕屋が裂けたことに象徴されているからです。ですが、恵みの時代の始まりであるペンテコステまでは、完結しなかったという側面もあります。
聖書箇所としては、出エジプト19章1節から使徒の働き 1章26節までにあたります。
必要に応じて、ぜひご確認下さい。
続いては、律法の時代の名称について見ていきましょう。
律法の時代という名前はどこから来たの?
律法の時代という名称は、「モーセの律法」からきています。
続いては、律法の時代の中心人物について見ていきましょう。
律法の時代の中心人物は誰?
律法の時代の中心人物はモーセです。
全てのディスペンセーションには一人の管理者が立てられるので、その人物が中心人物となります。
律法の時代に結ばれた重要な契約は「モーセ契約」ですが、モーセこそが契約の当事者でした。
続いては、律法の時代における神の統治原則、すなわち神からの命令について見ていきましょう。
律法の時代に与えられた命令は?
律法の時代においても、全人類(イスラエル人と異邦人)に与えられている統治原則は以下の3つです。
① 良心
② 聖霊の制御
③ 人間の政府
イスラエルには、それに加えてアブラハム契約への従順が加えられていました。
そしてさらに律法の時代には、モーセ契約への従順が追加されました。具体的には、モーセの律法を厳守することと、メシア(モーセのような預言者)を信じることです。
(1) 律法厳守
(2) メシア信仰
律法厳守
モーセの律法は、613にも及ぶ命令で成り立っています。道徳法、民法、祭儀法などが含まれていますが、統一体としての律法です。ですから、613のうち、たったひとつでも守れなければ、律法違反したことになります。
また、モーセ契約が「条件付き契約」(双務契約)のため、人間側の失敗によって無効となってしまいます。(イエスにより条件が満たされたという側面もあります。)
ちなみに、聖書箇所は、出エジプト記 20章から申命記の終わりまでです。その中でも中心的な命令は、二枚の板に書き記された「十戒」で知られています。
出エジプト記 20:1-17 (申命記 5:6-21)
1 それから神は次のすべてのことばを告げられた。 2 「わたしは、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出したあなたの神、主である。
3 あなたには、わたし以外に、ほかの神があってはならない。
4 あなたは自分のために偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、いかなる形をも造ってはならない。 5 それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたみの神。わたしを憎む者には父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、 6 わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。
7 あなたは、あなたの神、主の名をみだりに口にしてはならない。主は、主の名をみだりに口にする者を罰せずにはおかない。
8 安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ。 9 六日間働いて、あなたのすべての仕事をせよ。 10 七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはいかなる仕事もしてはならない。あなたも、あなたの息子や娘も、それにあなたの男奴隷や女奴隷、家畜、またあなたの町囲みの中にいる寄留者も。 11 それは主が六日間で、天と地と海、またそれらの中のすべてのものを造り、七日目に休んだからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものとした。
12 あなたの父と母を敬え。あなたの神、主が与えようとしているその土地で、あなたの日々が長く続くようにするためである。
13 殺してはならない。
14 姦淫してはならない。
15 盗んではならない。
16 あなたの隣人について、偽りの証言をしてはならない。
17 あなたの隣人の家を欲してはならない。あなたの隣人の妻、男奴隷、女奴隷、牛、ろば、すべてあなたの隣人のものを欲してはならない。」引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
メシア信仰
モーセの律法には、後に登場する「預言者たち」に従うことも命じられていました。
モーセのような預言者とは、メシア(救い主)であるイエス・キリストのことです。
申命記 18:15~19
18:15 あなたの神、主はあなたのうちから、あなたの同胞の中から、私のような一人の預言者をあなたのために起こされる。あなたがたはその人に聞き従わなければならない。16 これは、あなたがホレブでのあの集まりの日に、あなたの神、主に求めて、「私の神、主の御声は二度と聞きたくありません。この大きな火はもう見たくありません。私は死にたくありません」と言ったことによるものである。 17 それで主は私に言われた。「彼らの言ったことはもっともだ。 18 わたしは彼らの同胞のうちから、彼らのためにあなたのような一人の預言者を起こして、彼の口にわたしのことばを授ける。彼はわたしが命じることすべてを彼らに告げる。 19 わたしの名によって彼が告げる、わたしのことばに聞き従わない者があれば、わたしはその人に責任を問う。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
使徒の働き3:22-24
3:22 モーセはこう言いました。『あなたがたの神、主は、あなたがたの同胞の中から、私のような一人の預言者をあなたがたのために起こされる。彼があなたがたに告げることすべてに聞き従わなければならない。 23 その預言者に聞き従わない者はだれでも、自分の民から断ち切られる。』24 また、サムエルをはじめ、彼に続いて語った預言者たちもみな、今の時について告げ知らせました。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
さて続いては、律法の時代における、人間の責任と失敗、すなわち人間の応答について見ていきましょう。
律法の時代にとった人間の応答は?
全人類(イスラエル人と異邦人)がとった応答は、神への不従順でした。
ここでは、イスラエル民族の不従順の罪を見ていきましょう。
(1) 律法違反
(2) メシア拒否
律法違反
イスラエルの民は、モーセの律法に違反しました。モーセ契約を破ったのです。
エレミヤ書 31:32
31:32 その契約は、わたしが彼らの先祖の手を取って、エジプトの地から導き出した日に、彼らと結んだ契約のようではない。わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破った──主のことば──。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
律法の本来の目的は、人間には律法厳守が不可能であることを認めさせることでした。律法厳守によって義と認められないからこそ、神の義であるメシアが必要となるからです。
ところが、律法厳守による義を求めて、さまざまな抜け道を考えだしました。その最たるものが、「口伝律法」と呼ばれるものです。
口伝律法とは、代々言い伝えられてきた伝統的な律法で、モーセの律法を無効にしてしまうものでした。
ローマ人への手紙 10:1~3
10:1 兄弟たちよ。私の心の願い、彼らのために神にささげる祈りは、彼らの救いです。 2 私は、彼らが神に対して熱心であることを証ししますが、その熱心は知識に基づくものではありません。 3 彼らは神の義を知らずに、自らの義を立てようとして、神の義に従わなかったのです。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
メシア拒否
メシア(救い主)であるイエス・キリストのことは、すでに何度も預言されていました。
にも関わらず、当時の宗教指導者たちは、イエス・キリストを拒否しました。
具体的には、イエス・キリストの癒しの奇跡を、ベルゼブル(悪霊どものかしら・悪魔)によるものだと言ったのです。
これは、ベルゼブル論争と呼ばれ、マタイの福音書にだけでなく、マルコの福音書、ルカの福音書にも記されています。
マタイの福音書 12:22-32
22 そのとき、悪霊につかれて目が見えず、口もきけない人が連れて来られた。イエスが癒やされたので、その人はものを言い、目も見えるようになった。 23 群衆はみな驚いて言った。「もしかすると、この人がダビデの子なのではないだろうか。」 24 これを聞いたパリサイ人たちは言った。「この人が悪霊どもを追い出しているのは、ただ悪霊どものかしらベルゼブルによることだ。」 25 イエスは彼らの思いを知って言われた。「どんな国でも分裂して争えば荒れすたれ、どんな町でも家でも分裂して争えば立ち行きません。 26 もし、サタンがサタンを追い出しているのなら、仲間割れしたことことになります。それなら、どのようにしてその国は立ち行くのですか。 27 また、もしわたしが、ベルゼブルによって悪霊どもを追い出しているとしたら、あなたがたの子らが追い出しているのは、だれによってなのですか。そういうわけで、あなたがたの子らが、あなたがたをさばく者となります。 28 しかし、わたしが神の御霊によって悪霊どもを追い出しているのなら、もう神の国はあなたがたのところに来ているのです。 29 まず強い者を縛り上げるのでなければ、強い者の家に入って家財を奪い取ることが、どうしてできるでしょうか。縛り上げれば、その家を略奪できます。 30 089わたしに味方しない者はわたしに敵対し、わたしとともに集めない者は散らしているのです。
31 ですから、わたしはあなたがたに言います。人はどんな罪も冒瀆も赦していただけますが、御霊に対する冒瀆は赦されません。 32 また、人の子に逆らうことばを口にする者でも赦されます。しかし、聖霊に逆らうことを言う者は、この世でも次に来る世でも赦されません。引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
続いては、律法の時代における神の裁きと恵み、すなわちディスペンセーションの移行について見ていきましょう。
律法の時代はどう移行するの?
律法の時代は、人間の失敗に伴った、神の裁きで終わりを告げます。
ただし、恵みの要素が与えられた状態で、次のディスペンセーションへと移行します。
以下が裁きと恵みの要素です。
(1) アッシリア捕囚とバビロン捕囚
(2) エルサレム陥落と世界離散
(3) 大患難時代の預言
(4) 士師・善王・預言者
(5) 祭儀法
(6) メシアの来臨(初臨)
アッシリア捕囚とバビロン捕囚
アッシリア捕囚は、南北朝時代のイスラエル(北王国の10部族)に対して下った裁きです。
バビロン捕囚は、南北朝時代のユダ(南王国の2部族)に対して下った裁きです。3回に分けて行われました。
第二列王記 17:6 (アッシリア捕囚)
17:6 ホセアの第九年に、アッシリアの王はサマリアを取り、イスラエル人をアッシリアに捕らえ移し、彼らをハラフと、ゴザンの川ハボルのほとり、またメディアの町々に住まわせた。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
第二歴代誌 36:5~7(1次バビロン捕囚)
36:5 エホヤキムは二十五歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。彼は自分の神、主の目に悪であることを行った。 6 彼のもとに、バビロンの王ネブカドネツァルが攻め上って来て、彼を青銅の足かせにつなぎ、バビロンへ引いて行った。 7 ネブカドネツァルは、主の宮の器をバビロンに持ち去り、バビロンにある彼の宮殿に置いた。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
第二歴代誌 36:10(2次バビロン捕囚)
36:16 バビロンの王は、すべての勇士たち七千人と、職人、鍛冶千人からなる勇敢な戦士たちすべてを、捕囚としてバビロンへ連れて行った。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
第二歴代誌 36:17~20 (3次バビロン捕囚)
36:17 主は、彼らのもとにカルデア人の王を攻め上らせた。彼は、聖所の中で若い男たちを剣で殺し、若い男も若い女も、年寄りも弱い者も容赦しなかった。主は、すべてのものを彼の手に渡された。 18 彼は、神の宮の大小すべての器、主の宮の財宝と、王とその高官たちの財宝、これらすべてをバビロンへ持ち去った。 19 神の宮は焼かれ、エルサレムの城壁は打ち壊され、その高殿はすべて火で焼かれ、その中の宝としていた器も一つ残らず破壊された。 20 彼は、剣を逃れた残りの者たちをバビロンへ捕らえ移した。こうして彼らは、ペルシア王国が支配権を握るまで、彼とその子たちの奴隷となった。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
エルサレム陥落と世界離散
南王国ユダ(首都エルサレム)には、バビロン捕囚から帰還した人々が住んでいました。
エルサレム陥落については、イエスの公生涯で預言されていました。
AD70年に、ローマ軍によってエルサレムは陥落しました。預言が成就したのです。
こうしてイスラエル人は国を無くし、世界離散の民となりました。
マタイの福音書 24:1–2
24:1 イエスが宮を出て行かれると、弟子たちが近寄って来て、イエスに向かって宮の建物を指し示した。 2 すると、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたはこれらの物すべてを見ているのですか。まことに、あなたがたに言います。ここで、どの石も崩されずに、ほかの石の上に残ることは決してありません。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
大患難時代の預言
大患難時代はヤコブの苦しみとも呼ばれ、イエスを拒否した罪にたいして下される裁きです。
ただし、まだ成就していません。
この預言は、ダニエルの「70週の預言」として知られています。そしてイエスの公生涯でも預言されました。
ダニエル書 9:27
9:27 彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、 半週の間、いけにえとささげ物をやめさせる。 忌まわしいものの翼の上に、荒らす者が現れる。そしてついには、定められた破滅が、荒らす者の上に降りかかる。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
マタイの福音書 24:15–22
24:15 それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす忌まわしいもの』が聖なる所に立っているのを見たら──読者はよく理解せよ── 16 ユダヤにいる人たちは山へ逃げなさい。 17 屋上にいる人は、家にある物を取り出そうとして下に降りてはいけません。 18 畑にいる人は上着を取りに戻ってはいけません。 19 それらの日、身重の女たちと乳飲み子を持つ女たちは哀れです。 20 あなたがたの逃げるのが冬や安息日にならないように祈りなさい。 21 そのときには、世の始まりから今に至るまでなかったような、また今後も決してないような、大きな苦難があるからです。 22 もしその日数が少なくされないなら、一人も救われないでしょう。しかし、選ばれた者たちのために、その日数は少なくされます。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
士師・善王・預言者
律法の時代には、神に立てられた士師や善王や預言者たちが、裁きの預言で忠告を促したり、罪に陥った民を悔い改めに導いたりしてきました。
祭儀法
祭儀法は、神との関係を回復させるための儀式です。具体的には、律法違反に対していけにえの捧げ物を捧げることを意味します。
いけにえの血によって罪が覆われ、神の怒りをなだめることができるのです。ただし、これは一時的なものですから、何度でも繰り返す必要があります。
また、いけにえの血は、イエスの贖いの型にもなっています。
レビ記 4:27–31
4:27 民衆の一人が、主がしてはならないと命じたことの一つでも行って、気づかずに罪に陥ってしまったが、後になって責めを覚える場合、 28 または、自分が陥っていた罪が知らされた場合には、その人が陥っていた罪のために、ささげ物として傷のない雌やぎを連れて来る。 29 そして、その罪のきよめのささげ物の頭に手を置き、全焼のささげ物の場所で罪のきよめのささげ物を屠る。 30 祭司はその血を指に付け、それを全焼のささげ物の祭壇の四隅の角に塗る。その血はすべて祭壇の土台に流す。 31 交わりのいけにえから取り除かれる場合と同様に、その脂肪はすべて取り除く。祭司は主への芳ばしい香りとして、それを祭壇の上で焼いて煙にする。こうして祭司はその人のために宥めを行う。そして彼は赦される。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
レビ記 16:1~34
1 アロンの二人の息子の死後、すなわち、彼らが主の前に近づいて死んだ後、主はモーセに告げられた。 2 主はモーセに言われた。「あなたの兄アロンに告げよ。 垂れ幕の内側の聖所、すなわち箱の上の『宥めの蓋』の前に、時をわきまえずに入ることがないようにせよ。死ぬことのないようにするためである。『宥めの蓋』の上で、わたしは雲の中に現れるからである。 3 アロンは次のようにして聖所に入る。罪のきよめのささげ物として若い雄牛、また全焼のささげ物として雄羊を携え、 4 聖なる亜麻布の長服を着て、亜麻布のももひきを履き、亜麻布の飾り帯を締め、亜麻布のかぶり物をかぶる。これらが聖なる装束であり、彼はからだに水を浴びて、それらを着ける。 5 彼はまた、イスラエルの会衆から、雄やぎ二匹を罪のきよめのささげ物として、雄羊一匹を全焼のささげ物として取る。
6 アロンは、自分のための罪のきよめのささげ物である雄牛を献げ、自分と自分の家族のために宥めを行う。 7 雄やぎ二匹を取り、それを主の前、会見の天幕の入り口に立たせ、 8 雄やぎ二匹のためにアロンがくじを引く。一つのくじは主のため、一つのくじはアザゼルのためである。 9 アロンは主のためのくじに当たった雄やぎを連れて来て、それを罪のきよめのささげ物とする。 10 アザゼルのためのくじに当たった雄やぎは、主の前に生きたままで立たせる。これは、それの上で宥めを行い、荒野のアザゼルのもとへ追いやるためである。
11 アロンは自分のために、罪のきよめのささげ物である雄牛を献げ、自分と家族のために宥めを行う。彼は自分のために、罪のきよめのささげ物である雄牛を屠る。 12 彼は主の前の祭壇から炭火を火皿いっぱいに、また、粉にした香り高い香を両手いっぱいに取り、垂れ幕の内側に持って入る。 13 その香を主の前の火にくべ、香から出る雲が、あかしの箱の上の『宥めの蓋』をおおうようにする。彼が死ぬことのないようにするためである。 14 それから、雄牛の血を取り、指で『宥めの蓋』の東側に振りまき、また、指で七度その血を『宥めの蓋』の前に振りまく。
15 アロンは民のために、罪のきよめのささげ物である雄やぎを屠り、その血を垂れ幕の内側に持って入り、この血を、先の雄牛の血にしたように、『宥めの蓋』の上と『宥めの蓋』の前にかける。 16 彼はイスラエルの子らの汚れと背き、すなわちそのすべての罪を除いて、聖所のための宥めを行う。彼らの汚れのただ中に、彼らとともにある会見の天幕にも、このようにする。 17 彼が宥めを行うために聖所に入って、再び出て来るまで、だれも会見の天幕の中にいてはならない。彼は自分と自分の家族、それにイスラエルの集会全体のために宥めを行う。 18 そして、主の前にある祭壇のところに出て行き、そのために宥めを行う。すなわち、彼はその雄牛の血と雄やぎの血を取り、それを祭壇の四隅の角に塗る。 19 また、その残りの血を、その祭壇の上に指で七度振りまく。こうして彼はイスラエルの子らの汚れからそれをきよめ、聖別する。
20 彼は、聖所と会見の天幕と祭壇のための宥めを行い終えたら、先の生きている雄やぎを連れて来る。 21 アロンは生きている雄やぎの頭に両手を置き、それの上で、イスラエルの子らのすべての咎とすべての背き、すなわちすべての罪を告白告白する。これらをその雄やぎの頭の上に載せ、係りの者の手でこれを荒野に追いやる。 22 雄やぎは彼らのすべての咎を負って、不毛の地へ行く。その人は雄やぎを荒野に追いやる。
23 アロンは会見の天幕に戻り、聖所に入ったときに着けていた亜麻布の装束を脱いで、そこに残しておき、 24 聖なる所でからだに水を浴び、自分の衣服を着て外に出て、自分の全焼のささげ物と民の全焼のささげ物を献げ、自分のため、民のために宥めを行う。 25 罪のきよめのささげ物の脂肪は、祭壇の上で焼いて煙にする。 26 アザゼルの雄やぎを追いやった者は衣服を洗い、からだに水を浴びる。その後で、宿営に入ることができる。 27 罪のきよめのささげ物の雄牛と、罪のきよめのささげ物の雄やぎで、その血が宥めのために聖所に持って行かれたものは、宿営の外に運び出し、皮と肉と汚物を火で焼く。 28 これを焼く者は自分の衣服を洗い、からだに水を浴びる。その後で、宿営に入ることができる。
29 次のことは、あなたがたにとって永遠の掟となる。第七の月の十日には、あなたがたは自らを戒めなければならない。この国に生まれた者も、あなたがたの中に寄留している者も、いかなる仕事もしてはならない。 30 この日は、あなたがたをきよめようと、あなたがたのために宥めが行われるからである。あなたがたは主の前ですべての罪からきよくなる。 31 これがあなたがたの全き休みのための安息日であり、あなたがたは自らを戒める。これは永遠の掟である。 32 油注がれ、父に代わって祭司として仕えるために任命された祭司が、宥めを行う。彼は亜麻布の装束、すなわち聖なる装束を着ける。 33 彼は至聖所のための宥めを行い、また会見の天幕と祭壇のための宥めを行う。彼はまた、祭司たちと集会のすべての民のための宥めを行う。 34 以上のことは、あなたがたにとって永遠の掟となる。これは年に一度イスラエルの子らのために行われる、彼らのすべての罪を除く宥めである。」 モーセは主が命じられたとおりに行った。引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
メシアの来臨(初臨)
律法の時代の最大の恵みは、メシア(救い主)イエス・キリストが地上に来臨(初臨)されたことです。
メシア(救い主)の預言は、「原福音」と呼ばれ、アダムが罪を犯した直後に与えられました。原福音は、サタンへの宣言として語られています。成就したものも、まだしていないものもあります。
創世記 3:15
15 わたしは敵意を、おまえと女の間に、 おまえの子孫と女の子孫の間に置く。 彼はおまえの頭を打ち、 おまえは彼のかかとを打つ。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
補足説明:サタンに対する4つの宣言
①「おまえと女の間に、敵意を置く」
これは、サタンと女との間に戦い(葛藤)があることを意味します。
この箇所での「女」は、女性全体を指します。全ての人が女性から誕生するからです。
具体的には、救い主(メシア)が誕生しないよう、人間の女性たちを汚そうとします。この出来事はすでに成就しました。(創世記6章)
また、それだけではなく、女性から生まれる全ての人間に対する継続的な戦いでもあります。(黙示録20:10まで)
②「おまえの子孫と女の子孫の間に、敵意を置く」
これは、サタンの子孫である「反キリスト」と、女の子孫である「イエス・キリスト」の間の戦い(葛藤)を意味します。
具体的には、反キリストの暗躍の預言です。(黙示録 13章 : 獣として)
③「彼はお前の頭を打つ」
これは、イエス・キリストがサタンの頭を踏み砕いて、致命傷においやることを意味します。
具体的には、イエス・キリストの復活の預言です。この出来事はすでに成就しました。
また、それだけではなく将来成就する預言も含まれています。(ロマ書16:20, 黙示録20:10)
④「おまえは、彼のかかとを打つ」
これは、サタンがイエス・キリストのかかとに噛み付くことを意味します。
具体的には、イエス・キリストの十字架の預言です。この出来事はすでに成就しました
用語説明:サタン
サタンは、もともとは、天使界で神に使える「天使の長」でした。ところが、自らが神に変わって権力と地位を得ようと反逆し、堕天使(堕落した天使)となり下がってしまいました。その上1/3にも及ぶ天使たちを仲間に加え、「堕天使の長」として君臨したのです。
サタンは「悪魔」とも呼ばれています。
ちなみに天使は、神によって創られた被造物です。
天使の絶対数は一定で、その中で3分の1の天使はサタンに惑わされてしまい堕天使(堕落した天使)となりました。それらは「悪霊」と呼ばれています。
残りの3分の2の天使は、良い天使として今も神に仕えています。
用語説明:反キリスト
反キリストは、サタンの子孫として出現する人物です。将来来たるべき「大患難時代」と呼ばれる時代に暗躍します。しかし最後は、女の子孫であるイエス・キリストによって打ち負かされることが決まっています。
重要:原福音
創世記 3:15は、原福音(福音の原型)と呼ばれるものです。
聖書で一番最初に書かれた「メシヤ預言」で、神による人類救済計画が預言されています。
人類の歴史は、この預言が成就すべく着々と進められているのです。
それでは最後に、律法の時代の要約をしていきましょう。
律法の時代のまとめ
この記事で、律法の時代について学んだ項目は、以下の7点です。
- 期間と聖書箇所
- 時代の名称
- 時代の中心人物
- 神の統治原則
- 人間の責任と失敗
- 神の裁きと恵み
- 律法の時代の要約
律法の時代は、7つのディスペンセーションの中で、5番目のディスペンセーションでした。
ここで、7つのディスペンセーションの全体像を、しっかり押さえておきましょう。
- 無垢の時代
- 良心の時代
- 人間政府の時代
- 約束の時代
- 律法の時代
- 恵みの時代
- 御国の時代
7つのディスペンセーションを総合的に学びたい方へ
また、律法の時代に結ばれた重要な契約が「モーセ契約」であることも学びました。
モーセ契約を詳しく学びたい方へ
ここで、8つの聖書的契約も押さえておきましょう。
- エデン契約
- アダム契約
- ノア契約
- アブラハム契約
- モーセ契約
- 土地の契約
- ダビデ契約
- 新しい契約
8つの聖書的契約を総合的に学びたい方へ
この記事の参考資料
- ディスペンセーショナリズムQ/A
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ
2. 聖書が教える霊的戦いー神の国と悪魔の国の葛藤ー
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ
3. Clay解説コレクション
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ
4. 中川牧師の一日一章
中川健一著 イーグレース
5. ハーベスト聖書塾 神学講座
(聖書塾生専用教材)
ハーベスト・タイム・ミニストリーズ
これらは、以下のリンクから購入可能です。
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ディスペンセーション神学を本格的に学びたい方は、関連サイトページをご参照下さい。
以下は、7つのディスペンセーションと8つの聖書的契約との関係が一目で分かるチャートです。まだダウンロードや印刷をしていない方は、この機会にどうぞ。
最後まで一緒に学んでくださり、本当にありがとうございました。この記事が、あなたの信仰生活のお役に立てれば幸いです。
次回は、7つのディスペンセーション(6)恵みの時代について、ご一緒に学んでいきましょう。


