ディスペンセーション (4) 約束の時代

このシリーズは、「7つのディスペンセーション」の学びです。この記事では、「約束の時代」を取り上げます。
7つのディスペンセーションの中で、4番目のディスペンセーションです。

約束の時代で学ぶ項目は、以下の7点です。

  • 期間と聖書箇所
  • 時代の名称
  • 時代の中心人物
  • 神の統治原則
  • 人間の責任と失敗
  • 神の裁きと恵み
  • 約束の時代の要約
目次

約束の時代はいつからいつまで?

約束の時代は、アブラハムの召命から律法付与までの期間です。
この期間に登場する主要人物は、アブラハム、イサク、ヤコブ(イスラエルに改名)、イスラエルの12部族、ヨセフ、モーセなどです。

また、この期間のイスラエルの歴史は、カナンの地からエジプトへの移住、エジプトでの奴隷生活、エジプトからの解放、荒野での放浪生活などが含まれます。

聖書箇所としては、創世記12章1節から出エジプト18章27節までにあたります。必要に応じて、ぜひご確認下さい。

続いては、約束の時代の名称について見ていきましょう。

約束の時代という名前はどこから来たの?

「約束の時代」という名称は、神の約束が、この時代に数多く与えられたことからきています。
具体的には、新約聖書の4箇所に由来しています。

(以下の聖句引用では、「約束」というキーワードを太字表示にしました。)

ローマ人への手紙 4:1~17

4:13 というのは、世界の相続人となるという約束が、アブラハムに、あるいは彼の子孫に与えられたのは、律法によってではなく、信仰による義によってであったからです。 14 もし律法による者たちが相続人であるなら、信仰は空しくなり、約束は無効になってしまいます。 15 実際、律法は御怒りを招くものです。律法のないところには違反もありません。 16 そのようなわけで、すべては信仰によるのです。それは、事が恵みによるようになるためです。こうして、約束がすべての子孫に、すなわち、律法を持つ人々だけでなく、アブラハムの信仰に倣う人々にも保証されるのです。アブラハムは、私たちすべての者の父です。 17 「わたしはあなたを多くの国民の父とした」と書いてあるとおりです。彼は、死者を生かし、無いものを有るものとして召される神を信じ、その御前で父となったのです。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ガラテヤ人への手紙 3:15~19

3:15 兄弟たちよ、015人間の例で説明しましょう。人間の契約でも、いったん結ばれたら、だれもそれを無効にしたり、それにつけ加えたりはしません。 16 約束は、アブラハムとその子孫に告げられました。神は、「子孫たちに」と言って多数を指すことなく、一人を指して「あなたの子孫に」と言っておられます。それはキリストのことです。 17 私の言おうとしていることは、こうです。先に神によって結ばれた契約を、その後四百三十年たってできた律法が無効にし、その約束を破棄することはありません。 18 相続がもし律法によるなら、もはやそれは約束によるのではありません。しかし、神は約束を通して、アブラハムに相続の恵みを下さったのです。  
19 それでは、律法とは何でしょうか。それは、約束を受けたこの子孫が来られるときまで、違反を示すためにつけ加えられたもので、御使いたちを通して仲介者の手で定められたものです。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ヘブル人への手紙 6:13~15

6:13 神は、アブラハムに約束する際、ご自分より大いなるものにかけて誓うことができなかったので、ご自分にかけて誓い、 14 「確かにわたしは、あなたを大いに祝福し、あなたを大いに増やす」と言われました。 15 このようにして、アブラハムは忍耐の末に約束のものを得たのです。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ヘブル人への手紙 11:9

11:9 信仰によって、彼は約束された地に他国人のようにして住み、同じ約束をともに受け継ぐイサクやヤコブと天幕生活をしました。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

続いては、約束の時代の中心人物について見ていきましょう。

約束の時代の中心人物は誰?

約束の時代の中心人物はアブラハムです。
全てのディスペンセーションには一人の管理者が立てられ、その人物が中心人物となります。

約束の時代に結ばれた契約は「アブラハム契約」ですが、アブラハムこそが契約の当事者でした。ただし、アブラハムは、個人としてではなく、イスラエル民族の代表として、この契約を結びました。

続いては、約束の時代における神の統治原則、すなわち神からの命令についてについて見ていきましょう。

約束の時代に与えられた命令は?

約束の時代に全人類(イスラエル人と異邦人)に与えられている統治原則は以下の3つです。
① 良心
② 聖霊の制御
③ 人間の政府

イスラエルには、アブラハム契約への従順が加わりました。
具体的には、アブラハム契約で示された「神の約束」を信じることを意味します。

約束の項目大まかにわけると3つに分けられます。
① 子孫に関する約束
② 土地に関する約束
③ 祝福に関する約束

さて続いては、約束の時代における、人間の責任と失敗、すなわち人間の応答について見ていきましょう。

約束の時代にとった人間の応答は?

全人類(イスラエル人と異邦人)がとった応答は、神への不従順でした。

特にイスラエル民族の失敗を、詳しく見ていきましょう。

(1) アブラハムの不信仰
(2) イサクの不信仰
(3) ヤコブの不信仰
(4) イスラエル民衆の不信仰

アブラハムの不信仰

アブラハムは、土地に関する約束を軽んじ、エジプトに下りました。

創世記 12:10~11

12:10 その地に飢饉が起こったので、アブラムは、エジプトにしばらく滞在するために下って行った。その地の飢饉が激しかったからである。 11 彼がエジプトに近づいて、その地に入って行こうとしたとき、妻のサライに言った。「聞いてほしい。私には、あなたが見目麗しい女だということがよく分かっている。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

サラから子孫がでるという約束を軽んじました。それで、エジプトでサラが妹だといつわりました。

創世記 12:12~13:1

12:12 エジプト人があなたを見るようになると、『この女は彼の妻だ』と言って、私を殺し、あなたを生かしておくだろう。 13 私の妹だと言ってほしい。そうすれば、あなたのゆえに事がうまく運び、あなたのおかげで私は生き延びられるだろう。」 14 アブラムがエジプトにやって来たとき、エジプト人はサライを見て、非常に美しいと思った。 15 ファラオの高官たちが彼女を見て、ファラオに彼女を薦めたので、サライはファラオの宮廷に召し入れられた。 16 アブラムにとって、物事は彼女のゆえにうまく運んだ。それで彼は、羊の群れ、牛の群れ、ろば、それに男奴隷と女奴隷、雌ろば、らくだを所有するようになった。17 しかし、主はアブラムの妻サライのことで、ファラオとその宮廷を大きなわざわいで打たれた。 18 そこで、ファラオはアブラムを呼び寄せて言った。「あなたは私に何ということをしたのか。彼女があなたの妻であることを、なぜ私に告げなかったのか。 19 なぜ、『私の妹です』と言ったのか。だから、私は彼女を自分の妻として召し入れたのだ。さあ今、あなたの妻を連れて、立ち去るがよい。」 20 ファラオがアブラムについて家来に命じたので、彼らは彼を、妻と、所有するすべてのものと一緒に送り出した。
13 :1 そこで、アブラムはエジプトを出て、ネゲブに上った。妻と、所有するすべてのものと、ロトも一緒であった。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

サラから子孫がでるという約束を信じていなかったため、女奴隷ハガルによってイシュマエルが誕生してしまいました。

創世記 16:1~16

16:1アブラムの妻サライは、アブラムに子を産んでいなかった。彼女にはエジプト人の女奴隷がいて、その名をハガルといった。 2 サライはアブラムに言った。「ご覧ください。主は私が子を産めないようにしておられます。どうぞ、私の女奴隷のところにお入りください。おそらく、彼女によって、私は子を得られるでしょう。」アブラムはサライの言うことを聞き入れた。 3 アブラムの妻サライは、アブラムがカナンの地に住んでから十年後に、彼女の女奴隷であるエジプト人ハガルを連れて来て、夫アブラムに妻として与えた。 4 彼はハガルのところに入り、彼女は身ごもった。彼女は、自分が身ごもったのを知って、自分の女主人を軽く見るようになった。 5 サライはアブラムに言った。「私に対するこの横暴なふるまいは、あなたの上に降りかかればよいのです。この私が自分の女奴隷をあなたの懐に与えたのに、彼女は自分が身ごもったのを知って、私を軽く見るようになりました。主が、私とあなたの間をおさばきになりになりますように。」 6 アブラムはサライに言った。「見なさい。あなたの女奴隷は、あなたの手の中にある。あなたの好きなようにしなさい。」それで、サライが彼女を苦しめたので、彼女はサライのもとから逃げ去った。  
7 主の使いは、荒野にある泉のほとり、シュルへの道にある泉のほとりで、彼女を見つけた。 8 そして言った。「サライの女奴隷ハガル。あなたはどこから来て、どこへ行くのか。」すると彼女は言った。「私の女主人サライのもとから逃げているのです。」 9 主の使いは彼女に言った。「あなたの女主人のもとに帰りなさい。そして、彼女のもとで身を低くしなさい。」  
10 また、主の使いは彼女に言った。「わたしはあなたの子孫を増し加える。それは、数えきれないほど多くなる。」 11 さらに、主の使いは彼女に言った。 「見よ。あなたは身ごもって 男の子を産もうとしている。 その子をイシュマエルと名づけなさい。主が、あなたの苦しみを聞き入れられたから。 12 彼は、野生のろばのような人となり、 その手は、すべての人に逆らい、 すべての人の手も、彼に逆らう。 彼は、すべての兄弟に敵対して住む。」 13 そこで、彼女は自分に語りかけた主の名を「あなたはエル・ロイ」と呼んだ。彼女は、「私を見てくださる方のうしろ姿を見て、なおも私がここにいるとは」と言ったのである。 14 それゆえ、その井戸はベエル・ラハイ・ロイと呼ばれた。それは、カデシュとベレデの間にある。  
15 ハガルはアブラムに男の子を産んだ。アブラムは、ハガルが産んだその男の子をイシュマエルと名づけた。 16 ハガルがアブラムにイシュマエルを産んだとき、アブラムは八十六歳であった。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

イサクの不信仰

イサクもまた、土地に関する約束を軽んじ、エジプトに近い地で住みました。

創世記 26:6~16

26:6 こうしてイサクはゲラルに住んでいたが、 7 その土地の人々が彼の妻のことを尋ねた。すると彼は「あれは私の妹です」と答えた。この土地の人々がリベカのことで自分を殺しはしないかと思って、「私の妻です」と言うのを恐れたのであった。彼女が美しかったからである。 8 イサクは長くそこに滞在していた。ある日のこと、ペリシテ人の王アビメレクが窓から見下ろしていると、なんと、イサクがその妻リベカを110愛撫しているのが見えた。 9 アビメレクは、イサクを呼び寄せて言った。「本当のところ、あの女はあなたの妻ではないか。なぜ、あなたは『あれは私の妹です』と言ったのか。」イサクは「彼女のことで殺されはしないかと思ったからです」と答えた。 10 アビメレクは言った。「何ということをしてくれたのか。もう少しで、民の一人があなたの妻と寝て、あなたはわれわれに罪責をもたらすところだった。」 11 そこでアビメレクは、すべての民に命じて言った。「この人と、この人の妻に触れる者は、必ず殺される。」  
12 イサクはその地に種を蒔き、その年に百倍の収穫を見た。主は彼を祝福された。 13 こうして、この人は富み、ますます栄えて、非常に裕福になった。14 彼が羊の群れや牛の群れ、それに多くのしもべを持つようになったので、ペリシテ人は彼をねたんだ。 15 それでペリシテ人は、イサクの父アブラハムの時代に父のしもべたちが掘った井戸を、すべてふさいで土で満たした。 16 アビメレクはイサクに言った。「さあ、われわれのところから出て行ってほしい。われわれより、はるかに強くなったから。」

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ヤコブの不信仰

ヤコブは、母リベカを通して与えれていた約束を軽んじ、自らの方法で長子の権利を獲得しようとしました。

創世記 25:23 (神の約束)

25:23 すると主は彼女に言われた。 「二つの国があなたの胎内にあり、 二つの国民があなたから分かれ出る。 一つの国民は、もう一つの国民より強く、 兄が弟に仕える。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

創世記 25:29~34

29 さて、ヤコブが煮物を煮ていると、エサウが野から帰って来た。彼は疲れきっていた。 30 エサウはヤコブに言った。「どうか、その109赤いのを、そこの赤い物を食べさせてくれ。疲れきっているのだ。」それで、彼の名はエドムと呼ばれた。 31 するとヤコブは、「今すぐ私に、あなたの長子の権利を売ってください」と言った。 32 エサウは、「見てくれ。私は死にそうだ。長子の権利など、私にとって何になろう」と言った。 33 ヤコブが「今すぐ、私に誓ってください」と言ったので、エサウはヤコブに誓った。こうして彼は、自分の長子の権利をヤコブに売った。 34 ヤコブがエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えたので、エサウは食べたり飲んだりして、立ち去った。こうしてエサウは長子の権利を侮った。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

ヤコブは、父イサクを欺きました。

創世記 27:1~29

27:1 イサクが年をとり、目がかすんでよく見えなくなったときのことである。彼は上の息子エサウを呼び寄せて、「わが子よ」と言った。すると彼は「はい、ここにおります」と答えた。 2 イサクは言った。「見なさい。私は年老いて、いつ死ぬか分からない。 3 さあ今、おまえの道具の矢筒と弓を取って野に出て行き、私のために獲物をしとめて来てくれないか。 4 そして私のために私の好きなおいしい料理を作り、ここに持って来て、私に食べさせてくれ。私が死ぬ前に、私自ら、おまえを祝福できるように。」
5 リベカは、イサクがその子エサウに話しているのを聞いていた。それで、エサウが獲物をしとめて父のところに持って来ようと野に出かけたとき、 6 リベカは息子のヤコブに言った。「今私は、父上があなたの兄エサウにこう言っておられるのを聞きました。7 『獲物を捕って来て、私においしい料理を作ってくれ。食べて、死ぬ前に、主の前でおまえを祝福しよう。』 8 さあ今、子よ、私があなたに命じることを、よく聞きなさい。 9 さあ、群れのところに行って、そこから最上の子やぎを二匹取って私のところに来なさい。私はそれで、あなたの父上の好きな、おいしい料理を作りましょう。 10 あなたが父上のところに持って行けば、食べて、死ぬ前にあなたを祝福してくださるでしょう。」
11 ヤコブは母リベカに言った。「でも、兄さんのエサウは毛深い人なのに、私の肌は滑らかです。 12 もしかすると父上は私にさわって、私にからかわれたと思うでしょう。私は祝福どころか、のろいをこの身に招くことになります。」 13 母は彼に言った。「子よ、あなたへののろいは私の身にあるように。ただ私の言うことをよく聞いて、行って子やぎを取って来なさい。」
14 それでヤコブは行って、取って母のところに持って来た。母は、父の好む、おいしい料理を作った。 15 それからリベカは、家の中で自分の手もとにあった、上の息子エサウエサウの衣を取って来て、それを下の息子ヤコブに着せ、 16 また、子やぎの毛皮を、彼の両腕と、首の滑らかなところに巻き付けた。 17 そうして、自分が作ったおいしい料理とパンを、息子ヤコブの手に渡した。
18 ヤコブは父のところに行き、「お父さん」と言った。イサクは「おお。おまえはだれかね、わが子よ」と尋ねた。 19 ヤコブは父に、「長男のエサウです。私はお父さんが言われたとおりにしました。どうぞ、起きて座り、私の獲物を召し上がってください。そうして、自ら私を祝福してください」と答えた。 20 イサクは、その子に言った。「どうして、こんなに早く見つけることができたのかね、わが子よ。」彼は答えた。「あなたの神、主が私のために取り計らってくださったのです。」 21 そこでイサクはヤコブに言った。「近くに寄ってくれ。わが子よ。おまえが本当にわが子エサウなのかどうか、私はおまえにさわってみたい。」 22 ヤコブが父イサクに近寄ると、イサクは彼にさわり、そして言った。「声はヤコブの声だが、手はエサウの手だ。」 23 ヤコブの手が、兄エサウの手のように毛深かったので、イサクには見分けがつかなかった。それでイサクは彼を祝福しようとして、 24 「本当におまえは、わが子エサウだね」と言った。するとヤコブは答えた。「そうです。」 25 そこでイサクは言った。「私のところに持って来なさい。わが子の獲物を食べたい。そうして私自ら、おまえを祝福しよう。」そこでヤコブが持って来ると、イサクはそれを食べた。またぶどう酒を持って来ると、それも飲んだ。
26 父イサクはヤコブに、「近寄って私に口づけしてくれ、わが子よ」と言ったので、 27 ヤコブは近づいて、彼に口づけした。イサクはヤコブの衣の香りを嗅ぎ、彼を祝福して言った。 「ああ、わが子の香り。 主が祝福された野の香りのようだ。 28 神がおまえに 天の露と地の肥沃、豊かな穀物と新しいぶどう酒を 与えてくださるように。 29 諸国の民がおまえに仕え、 もろもろの国民がおまえを伏し拝むように。 おまえは兄弟たちの主となり、 おまえの母の子がおまえを伏し拝むように。 おまえを呪う者がのろわれ、 おまえを祝福する者が祝福されるように。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行

イスラエル民衆の不信仰

イスラエルの民衆は、エジプト滞在中も荒野放浪中も、神の約束を軽んじました。
彼らの不信仰は、カデシュ・バルネア事件に顕著に表れています。(民数記 14章)

続いては、約束の時代における神の裁きと恵み、すなわちディスペンセーションの移行について見ていきましょう。

約束の時代はどう移行するの?

約束の時代は、人間の失敗に伴った、神の裁きで終わりを告げます。ただし、恵みの要素が与えられた状態で、次のディスペンセーションへ移行します。

以下が裁きと恵みの要素です。

(1) エジプトでの奴隷生活
(2) 荒野での放浪生活

(3) 信仰による義認
(4) 過ぎ越しの祭り
(5) メシア家系の守り

エジプトでの奴隷生活

エジプトでの奴隷生活は、イスラエルの不信仰に対する裁きでした。
ですが、この裁きの中にも恵みの要素が見られます。カナン人とも、エジプト人とも雑婚せずに、民族的にも宗教的にも守られたのです。

荒野での放浪生活

荒野での放浪生活は、カデシュ・バルネア事件(民数記 14章)に対する裁きです。
そして、不信仰だった成人はみな、荒野で死に絶えました。約束の地に入ることができなかったのです。
ただ、この放浪生活中でさえ、マナをはじめとした神の恵みは十分にありました。

信仰による義認

アブラハムは、神の約束を信じて義と認められました。これを「信仰義認」といいます。
義と認められるとは、罪が赦される、救われると同じ意味です。

創世記 15:5~6

5 そして主は、彼を外に連れ出して言われた。「さあ、天を見上げなさい。星を数えられるなら数えなさい。」さらに言われた。「あなたの子孫は、このようになる。」 6 アブラムは主を信じた。それで、071それが072彼の義と認められた。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行

重要:信仰義認
救いは、信仰によってのみ与えられます。
行いによるのではありません。神の恵みとして与えられるのです。
信じる内容は、各自が与えられている神の啓示によります。

過ぎ越しの祭り

過ぎ越しの祭りとは、出エジプトを記念する祭りです。
過ぎ越しの祭りに関する設定は、出エジプトに先立って、モーセとアロンを通しイスラエルの全会衆に告げられました。

出エジプト 12:1

12:1 主はエジプトの地でモーセとアロンに言われた。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行

暦の始まり

イスラエルの民には、イスラエルの暦(こよみ)が導入されました。暦(こよみ)に基づき、祭りの日が特定されます。

出エジプト 12:2

12:2この月をあなたがたの月の始まりとし、これをあなたがたの年の最初の月とせよ。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行

小羊の選び

いけにえの動物として、傷のない羊が選ばれ、見守られ、屠られる必要がありました。

出エジプト 12:3~6

12:3 イスラエルの全会衆に次のように告げよ。  この月の十日に、それぞれが一族ごとに羊を、すなわち家ごとに羊を用意しなさい。 4 もしその家族が羊一匹の分より少ないのであれば、その人はすぐ隣の家の人と、人数に応じて取り分けなさい。一人ひとりが食べる分量に応じて、その羊を分けなければならない。 5 あなたがたの羊は、傷のない一歳の雄でなければならない。それを子羊かやぎのうちから取らなければならない。 6 あなたがたは、この月の十四日まで、それをよく見守る。そしてイスラエルの会衆の集会全体は夕暮れにそれを屠り、
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行

いけにえの血

いけにえの血は、門柱と鴨居に塗られる必要がありました。

出エジプト 12:7

12:7 その血を取り、羊を食べる家々の二本の門柱と鴨居に塗らなければならない。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行

過ぎ越しの食事

屠られた羊の料理方法や食事方法なども設定されました。

出エジプト12:8~11

12:8 そして、その夜、その肉を食べる。それを火で焼いて、種なしパンと苦菜を添えて食べなければならない。 9 生のままで、または、水に入れて煮て食べてはならない。その頭も足も内臓も火で焼かなければならない。 10 それを朝まで残してはならない。朝まで残ったものは燃やさなければならない。 11 あなたがたは、次のようにしてそれを食べなければならない。腰の帯を固く締め、足に履き物をはき、手に杖を持って、急いで食べる。これは主への過越のいけにえである。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行

過ぎ越される裁き

二本の門柱と鴨居に塗られた血がしるしとなり、神はその家の人々を死から守ります。
つまり、裁きが過ぎ越していくのです。

出エジプト 12:12~13

12:12 その夜、わたしはエジプトの地を巡り、人から家畜に至るまで、エジプトの地のすべての長子を打ち、また、エジプトのすべての神々にさばきを下す。わたしは主である。 13 その血は、あなたがたがいる家の上で、あなたがたのためにしるしとなる。わたしはその血を見て、あなたがたのところを過ぎ越す。わたしがエジプトの地を打つとき、滅ぼす者のわざわいは、あなたがたには起こらない。

引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行

記念としての祭り

過ぎ越しの祭りは、神が裁きを過ぎ越してくださったことを記念して、代々にわたり祝われるべき祭りとして定められました。

出エジプト 12:14

14 この日は、あなたがたにとって記念となる。あなたがたはその日を主への祭りとして祝い、代々守るべき永遠の掟として、これを祝わなければならない。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行


過ぎ越しの祭りは、イエス・キリストの十字架の予表でもあります。

重要:過ぎ越しの祭りとイエス・キリスト
傷のない子羊とは、罪のないイエス・キリストの型です。
キリストは、ニサンの月の14日にエルサレムに入城し、4日間試されました。
そして過ぎ越しの祭りの日に、十字架にかかりました。
過ぎ越しの祭りは、ただ単に出エジプトを記念する祭りではなく、イエス・キリストの十字架による罪の赦しを祝う祭りなのです。

メシア家系の守り

メシアの家系は、アブラハムからイサク、イサクからヤコブ(改名後はイスラエル)を経て守られ続けました。

ちなみに、アブラハムの家系から「救い主(メシア)」が出るという約束は、人間統治の時代にすでに与えれていました。
そして、さらにさかのぼると、良心の時代のアダムにも約束されていました。

救い主の約束は、「原福音」と呼ばれ、創世記 3:15で預言されています。

創世記 3:15

15 わたしは敵意を、おまえと女の間に、 おまえの子孫と女の子孫の間に置く。 彼はおまえの頭を打ち、 おまえは彼のかかとを打つ。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

補足説明:原福音

創世記3:15は、「原福音」と呼ばれ、救い主(メシア)に関する預言です。

①「おまえと女の間に、敵意を置く
これは、サタンと女との間に戦い(葛藤)があることを意味します。
この箇所での「女」は、女性全体を指します。全ての人が女性から誕生するからです。
具体的には、救い主(メシア)が誕生しないよう、人間の女性たちを汚そうとします。この出来事はすでに成就しました。(創世記6章)
また、それだけではなく、女性から生まれる全ての人間に対する継続的な戦いでもあります。(黙示録20:10まで)

②「おまえの子孫と女の子孫の間に、敵意を置く
これは、サタンの子孫である「反キリスト」と、女の子孫である「イエス・キリスト」の間の戦い(葛藤)を意味します。
具体的には、反キリストの暗躍の預言です。(黙示録 13章 : 獣として)

③「彼はお前の頭を打つ
これは、イエス・キリストがサタンの頭を踏み砕いて、致命傷においやることを意味します。
具体的には、イエス・キリストの復活の預言です。この出来事はすでに成就しました。
また、それだけではなく将来成就する預言も含まれています。(ロマ書16:20, 黙示録20:10)

④「おまえは、彼のかかとを打つ
これは、サタンがイエス・キリストのかかとに噛み付くことを意味します。
具体的には、イエス・キリストの十字架の預言です。この出来事はすでに成就しました。

用語説明:サタン

サタンは、もともとは、天使界で神に使える「天使の長」でした。ところが、自らが神に変わって権力と地位を得ようと反逆し、堕天使(堕落した天使)となり下がってしまいました。その上1/3にも及ぶ天使たちを仲間に加え、「堕天使の長」として君臨したのです。

サタンは「悪魔」とも呼ばれています。

ちなみに天使は、神によって創られた被造物です。
天使の絶対数は一定で、その中で3分の1の天使はサタンに惑わされてしまい堕天使(堕落した天使)となりました。それらは「悪霊」と呼ばれています。
残りの3分の2の天使は、良い天使として今も神に仕えています。

用語説明:反キリスト

反キリストは、サタンの子孫として出現する人物です。将来来たるべき「大患難時代」と呼ばれる時代に暗躍します。しかし最後は、女の子孫であるイエス・キリストによって打ち負かされることが決まっています。

重要:原福音
創世記 3:15は、原福音(福音の原型)と呼ばれるものです。
聖書で一番最初に書かれた「メシヤ預言」で、神による人類救済計画が預言されています。
人類の歴史は、この預言が成就すべく着々と進められているのです。

それでは最後に、約束の時代の要約をしていきましょう。

約束の時代のまとめ

この記事で、約束の時代について学んだ項目は、以下の7点です。

  • 期間と聖書箇所
  • 時代の名称
  • 時代の中心人物
  • 神の統治原則
  • 人間の責任と失敗
  • 神の裁きと恵み
  • 約束の時代の要約

約束の時代は、7つのディスペンセーションの中で、4番目のディスペンセーションでした。
ここで、7つのディスペンセーションの全体像を、しっかり押さえておきましょう。

  • 無垢の時代
  • 良心の時代
  • 人間政府の時代
  • 約束の時代
  • 律法の時代
  • 恵みの時代
  • 御国の時代

7つのディスペンセーションを総合的に学びたい方へ

また、約束の時代に結ばれた契約が「アブラハム契約」であることも学びました。
アブラハム契約を詳しく学びたい方へ

ここで、8つの聖書的契約も押さえておきましょう。

  • エデン契約
  • アダム契約
  • ノア契約
  • アブラハム契約
  • モーセ契約
  • 土地の契約
  • ダビデ契約
  • 新しい契約

8つの聖書的契約を総合的に学びたい方へ

この記事の参考資料
  1. ディスペンセーショナリズムQ/A
    中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

2. 聖書が教える霊的戦いー神の国と悪魔の国の葛藤ー 
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

3. Clay解説コレクション  
中川健一著 ハーベスト・タイム・ミニストリーズ

4. 中川牧師の一日一章
中川健一著 イーグレース

5. ハーベスト聖書塾 神学講座
(聖書塾生専用教材)
ハーベスト・タイム・ミニストリーズ 

これらは、以下のリンクから購入可能です。
・日本版
ハーベストタイムミニストリーズ オンラインショップ
https://harvestshop.net/jp/

・U.S.A版
HarvestTime Ministries U.S.A. Online Shop
https://harvestshop.net/us/

・デジタル版
Harvest Degital Shop (ダウンロード専用教材)
https://harvestdigital.shop/

ディスペンセーション神学を本格的に学びたい方は、関連サイトページをご参照下さい。

以下は、7つのディスペンセーションと8つの聖書的契約との関係が一目で分かるチャートです。まだダウンロードや印刷をしていない方は、この機会にどうぞ。


最後まで一緒に学んでくださり、本当にありがとうございました。この記事が、あなたの信仰生活のお役に立てれば幸いです。

次回は、7つのディスペンセーション(5)律法の時代について、ご一緒に学んでいきましょう。

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