サタン論は、「天使・サタン・悪霊論シリーズ」のひとつです。
サタン論では、以下の4項目に分けて学んでいきます。
この記事は、(2) サタンの起源・堕落 を取り上げます。
具体的には、以下の7項目です。
❶ サタンの起源
❷ サタンの堕落の原因
❸ サタンの堕落の結果
❹ サタンの堕落の時期
❺ サタンの王国
❻ サタンの人格
❼ 「サタンの起源・堕落 」のまとめ
引用聖句は、必要に応じ、アコーディオン機能(▼)をクリックしてお読み下さい。聖句内の重要な用語は太字表示してあります。
サタンの起源は?
すべての天使は、聖なる霊的存在として創造されましたが、と同時に、自由意志を与えられています。つまり、自由意志によって、聖なる性質に反することもできるということです。
サタンに関して言えば、「油注がれた守護者ケルビム」として任命され、被造物の中で最高の力と権威を持っていました。ただ、与えられている自由意志によって、その完全な性質に反する選択もできたということです。
エゼキエル書 28:11~15
11 次のような主のことばが私にあった。 12 「人の子よ。ツロの王について哀歌を唱えて、彼に言え。 神である主はこう言われる。 あなたは全きものの典型であった。 知恵に満ち、美の極みであった。 13 あなたは神の園、エデンにいて、 あらゆる宝石に取り囲まれていた。 赤めのう、トパーズ、ダイヤモンド、 緑柱石、縞めのう、碧玉、 サファイア、トルコ石、エメラルド。 あなたのタンバリンと笛は金で作られ、 これらはあなたが創造された日に整えられた。 14 わたしは、油注がれた守護者ケルビムとして あなたを任命した。 あなたは神の聖なる山にいて、 火の石の間を歩いていた。15 あなたの行いは、 あなたが創造された日から、 あなたに不正が見出されるまでは、完全だった。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンの堕落の原因は?
サタンの堕落は、「高慢」という内面の堕落に端を発します。与えられていた美、知恵、力、権威を間違った方向に用い、反逆という行為に及びました。自らの自由意志によって、神に敵対する者となったのです。
エゼキエル書 28:17
17 あなたの心は自分の美しさに高ぶり、 まばゆい輝きのために自分の知恵を腐らせた。 そこで、わたしはあなたを地に放り出し、 王たちの前で見せ物とした。
新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
イザヤ書 14:13~14
14:13 おまえは心の中で言った。 『私は天に上ろう。 神の星々のはるか上に私の王座を上げ、 北の果てにある会合の山で座に着こう。 14 密雲の頂に上り、 いと高き方のようになろう。』引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
上の聖句は、サタンの5つの「してやろう」(I will)でよく知られています。
1. 私は天に上ろう: 神の座に着く
2. 神の星々のはるか上に私の王座をあげよう:すべての天使の上に立つ
3. 北の果てにある会合の山で座に着こう:千年王国の王になる
4. 密雲の頂きに上ろう:シャカイナ・グローリーに囲まれる
5. いと高き方のようになろう:天と地の所有者となる
エゼキエル書 28:18
28:18 あなたは不正な商いで不義を重ね、 あなたの聖所を汚した。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンの堕落の結果は?
サタンは、罪の数々が認められ、罪ある者と定められました。
罰として、神の御座での「油注がれた守護者ケルビム」としての地位を失いました。
エゼキエル書 28:15~17
28:15 あなたの行いは、 あなたが創造された日から、 あなたに不正が見出されるまでは、完全だった。 16 あなたの商いが繁盛すると、 あなたのうちに暴虐が満ち、 こうしてあなたは罪ある者となった。 そこで、わたしはあなたを汚れたものとして 神の山から追い出した。 守護者ケルビムよ。 わたしは火の石の間から あなたを消え失せさせた。 17 あなたの心は自分の美しさに高ぶり、 まばゆい輝きのために自分の知恵を腐らせた。 そこで、わたしはあなたを地に放り出し、 王たちの前で見せ物とした。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
また彼は、堕天使(堕落した天使)として、「サタン」と呼ばれる者となりました。「サタン」とは、「敵対者」「反抗する者」という意味です。
(ここ大事!)
創造された時からサタンという名前ではありません。
堕落後に、サタン(敵対者)と呼ばれるようになったのです。
当然のことながら、神がサタンを創造したのではありません。
自らの自由意志で堕落し、サタンと成り下がったのです。
さらには、将来における裁きも預言されました。
エゼキエル書 28:18~19
18 あなたは不正な商いで不義を重ね、 あなたの聖所を汚した。 わたしはあなたのうちから火を出し、 あなたを焼き尽くした。 こうして、すべての者が見ている前で、 わたしはあなたを地上の灰とした。 19 国々の民のうちであなたを知る者はみな、 あなたのことで啞然とした。 あなたは恐怖をもたらすものとなり、 とこしえに消え失せる。」引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンの堕落の時期は?
サタンが堕落した時期については、聖書の中ではっきりとは示されていません。ですが、人類が創造される前であったことは確かです。なぜなら、蛇を用いてアダムとエバを堕落させたのがサタンだからです。
創世記 3:1
3:1 さて蛇は、神である主が造られた野の生き物のうちで、ほかのどれよりも賢かった。蛇は女に言った。「園の木のどれからも食べてはならないと、神は本当に言われたのですか。」引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンの王国とは?
「サタンの王国」とは、サタンを王とする王国 です。
「悪魔の王国」とも「闇の王国」とも呼ばれますが、この記事では「サタンの王国」という呼び名を選んでいます。
王国は、王だけでは成り立つものではありません。王に仕える家臣たちが必要なのです。そこでサタンは、家臣たちを得るため天使界に働きかけました。そして三分の一の天使たちを堕落させました
ちなみにこの堕天使(堕落した天使)たちは、「悪霊」と呼ばれます。もともと悪霊として創造されたのではなく、自らの自由意志でサタンに誘惑されて悪霊となったのです。
黙示録 12:4
12:4 その尾は天の星の三分の一を引き寄せて、それらを地に投げ落とした。また竜は、子を産もうとしている女の前に立ち、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
マタイの福音書 12:26
12:26 もし、サタンがサタンを追い出しているのなら、仲間割れしたことになります。それなら、どのようにしてその国は立ち行くのですか。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンの人格は?
サタンは、霊的存在ですが、人格をもっています。
人格とは、知性、感情、意思です。またそれらに伴い、道徳的責任が生じます。
・知性は、知識、記憶、理解・判断・推論する能力
・感情は、喜び、怒り、悲しみなど、内面で感じる能力
・意志は、本能や強制ではなく、自ら選択し、決定する能力
(1) サタンの性別
(2) サタンの知性
(3) サタンの感情
(4) サタンの意思
(5) サタンの道徳的責任
サタンの代名詞
聖書の中で、サタンに使われる代名詞は、「彼」です。
「彼」という代名詞から、サタンが人格を持つ存在だということがわかります。人格を持たないのであれば、「これ」「それ」「あれ」になるはずです。
英語やギリシア語でも、人格を持つ存在には「he/she」、人格を持たない物には「it」という代名詞が使われます。
ちなみに、代名詞が「彼」だからといって、サタンが男性だという意味ではありません。サタンには性別がありません。また中性ということでもありません。なぜなら、ギリシア語には中性形の代名詞があるにも関わらず、聖書ではそれが使われていないからです。
つまり、サタンには性別がないけれど、人格的存在という意味で、「彼」という表現が用いられるのです。
サタンの知性
サタンは、高い知性を持っています。
聖書の言葉をよく知っています。ただし、それを悪用します。また、嘘や悪巧みに長けています。
ちなみにヨブ記では、サタンがヨブの義について神と論じています。必要に応じてご確認ください。(ヨブ1~2章)。
マタイの福音書 4:6 (サタンの言葉)
4:6 こう言った。「あなたが神の子なら、下に身を投げなさい。 『神はあなたのために御使いたちに命じられる。 彼らはその両手にあなたをのせ、 あなたの足が石に打ち当たらないようにする』 と書いてあるから。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
ルカの福音書 4:1~12
4:1 さて、イエスは聖霊に満ちてヨルダンから帰られた。そして御霊によって荒野に導かれ、 2 四十日間、悪魔の試みを受けられた。その間イエスは何も食べず、その期間が終わると空腹を覚えられた。 3 そこで、悪魔はイエスに言った。「あなたが神の子なら、この石に、パンになるように命じなさい。」 4 イエスは悪魔に答えられた。「『人はパンだけで生きるのではない』と書いてある。」
5 すると悪魔はイエスを高いところに連れて行き、一瞬のうちに世界のすべての国々を見せて、 6 こう言った。「このような、国々の権力と栄光をすべてあなたにあげよう。それは私に任されていて、だれでも私が望む人にあげるのだから。 7 だから、もしあなたが私の前にひれ伏すなら、すべてがあなたのものとなる。」 8 イエスは悪魔に答えられた。「『あなたの神である主を礼拝しなさい。主にのみ仕えなさい』と書いてある。」
9 また、悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、神殿の屋根の端に立たせて、こう言った。「あなたが神の子なら、ここから下に身を投げなさい。 10 『神は、あなたのために御使いたちに命じて、 あなたを守られる。 11 彼らは、その両手にあなたをのせ、 あなたの足が石に打ち当たらないようにする』 と書いてあるから。」 12 するとイエスは答えられた。「『あなたの神である主を試みてはならない』と言われている。」引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
第二コリント人への手紙 11:3
11:3 蛇が悪巧みによってエバを欺いたように、あなたがたの思いが汚されて、キリストに対する真心と純潔から離れてしまうのではないかと、私は心配しています。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
エペソ人への手紙 6:11
6:11 悪魔の策略に対して堅く立つことができるように、神のすべての武具を身に着けなさい。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンの感情
サタンは、感情を持っています。
ただし、喜怒哀楽のうちの、激しい怒りの感情を表します。
黙12:12
12:12 それゆえ、天とそこに住む者たちよ、喜べ。 しかし、地と海はわざわいだ。 悪魔が自分の時が短いことを知って激しく憤り、 おまえたちのところへ下ったからだ。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
黙12:17
12:17 すると竜は女に対して激しく怒り、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスの証しを堅く保っている者たちと戦おうとして出て行った。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンの意思
サタンは、強い意志を持っています。
自らの意志で選択し、目的を持って行動します。ただし、常に悪い動機のもと、人に悪を企てます。自らを誇り、人を平伏させ、思いのままに操り、食い尽くそうとするのです。
イザヤ書 14:13~14
114:3 おまえは心の中で言った。 『私は天に上ろう。 神の星々のはるか上に私の王座を上げ、 北の果てにある会合の山で座に着こう。 14 密雲の頂に上り、 いと高き方のようになろう。』
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
ルカの福音書 4:6~7
6 こう言った。「このような、国々の権力と栄光をすべてあなたにあげよう。それは私に任されていて、だれでも私が望む人にあげるのだから。 7 だから、もしあなたが私の前にひれ伏すなら、すべてがあなたのものとなる。」
新日本聖書刊行会 翻訳. 新約聖書 新改訳2017 (新改訳聖書センター) (p. 248). (Function). Kindle Edition.引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
第二テモテへの手紙 2:26
2:26 悪魔に捕らえられて思いのままにされている人々でも、目を覚まして、その罠を逃れるかもしれません。
新日本聖書刊行会 翻訳. 新約聖書 新改訳2017 (新改訳聖書センター) (p. 894). (Function). Kindle Edition.引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
Ⅰペテ5:8
8 身を慎み、目を覚ましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、吼えたける獅子のように、だれかを食い尽くそうと探し回っています。
新日本聖書刊行会 翻訳. 新約聖書 新改訳2017 (新改訳聖書センター) (p. 988). (Function). Kindle Edition.引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンの道徳的責任
道徳的責任とは、善悪の判断のもとで、自らの選択と行動に対する責任のことです。
人格を持つサタンにもまた、当然のことながら道徳的責任が問われます。
善悪の基準は、創造主なる神が定めておられます。
神の善悪の基準に基づいて、サタンは自らの選択に対し、神による裁きを受けるのです。
マタイの福音書 25:41
25:41 それから、王は左にいる者たちにも言います。『のろわれた者ども。わたしから離れ、悪魔とその使いのために用意された永遠の火に入れ。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
ヨハネの福音書 16:11
16:11 さばきについてとは、この世を支配する者がさばかれたからです。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
「サタンの起源・堕落 」のまとめsあ
この記事は、サタン論 (2) サタンの起源・堕落 を取り上げました。
具体的には、以下の7項目です。
❶ サタンの起源
❷ サタンの堕落の原因
❸ サタンの堕落の結果
❹ サタンの堕落の時期
❺ サタンの王国
❻ サタンの人格
❼ 「サタンの起源・堕落 」のまとめ
サタンはもともと、被造物の中で最高の力と権威を持つ「油注がれた守護者ケルビム」として創造されました。
しかし、自らの美しさゆえに高慢となり、自由意志によって神に反逆しました。その結果、堕落し、「サタン」と呼ばれる者となったのです。
創造された時からサタンという名前ではありません。当然のことながら、神がサタンを創造したのではありません。自らの自由意志で堕落し、サタンと成り下がったのです。
また、サタンは霊的存在でありながら、知性・感情・意志という人格を持ち、道徳的責任を負う存在です。ですから堕落の結果、罰として裁かれる身となりました。
この記事を通して、サタンの起源・堕落関して正しい理解が与えられたでしょうか。
あなたの信仰生活に、なんらかのお役に立てれば幸いです。
次回は、「サタン論 (3) サタンの働き」をご一緒に学んでいきましょう。
この記事の参考資料
- 書籍 聖書が教える霊的戦い——神の国と悪魔の国の葛藤
中川健一著
ハーベスト・タイム・ミニストリーズ - ハーベスト聖書塾 神学講座4(聖書塾生専用教材)より
講師:中川健一
ハーベスト・タイム・ミニストリーズ
書籍 聖書が教える霊的戦いは、以下のリンクから購入可能です。
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