サタン論は、「天使・サタン・悪霊論シリーズ」のひとつです。
サタン論では、以下の4項目に分けて学んでいきます。
この記事は、「サタン論 (4) サタンの裁き・信者の責務 」を取り上げます。
具体的には、以下の6 項目です。
❶ 原福音と十字架
❷ 天からの追放(大患難時代)
❸ アブソスへの閉じ込め(千年王国)
❹ 火の池での苦しみ(新天新地)
❺ 信者のサタンへの対応
❻ 「 サタンの裁き・信者の責務 」のまとめ
引用聖句は、必要に応じ、アコーディオン機能(▼)をクリックしてお読み下さい。聖句内の重要な用語は太字表示してあります。
原福音と十字架の関係は?(預言と部分的成就)
サタンへの裁きは、サタンがアダムを堕落させた直後に預言されました。
これが「原福音」と呼ばれるものです。
「原福音」は、メシア預言(救い主による人類救済計画)であると同時に、サタンへの裁きの預言でもあります。
原福音と十字架の関係ですが、サタンにとっては、裁きの預言と部分的成就の関係になります。つまり、サタンの裁きは、十字架上で部分的に成就したということです。
創世記 3:15
3:15 わたしは敵意を、おまえと女の間に、おまえの子孫と女の子孫の間に置く。彼はおまえの頭を打ち、おまえは彼のかかとを打つ。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンに対する宣言は4つを詳しく見ていきましょう。
①「おまえと女の間に、敵意を置く」
これは、サタンと女との間に戦い(葛藤)があることを意味します。
この箇所での「女」は、女性全体を指します。全ての人が女性から誕生するからです。
具体的には、救い主(メシア)が誕生しないよう、人間の女性たちを汚そうとします。この出来事はすでに成就しました。(創世記6章)
また、それだけではなく、女性から生まれる全ての人間に対する継続的な戦いでもあります。(黙示録20:10まで)
②「おまえの子孫と女の子孫の間に、敵意を置く」
これは、サタンの子孫である「反キリスト」と、女の子孫である「イエス・キリスト」の間の戦い(葛藤)を意味します。
具体的には、反キリストの暗躍の預言です。(黙示録 13章 : 獣として)
③「彼はお前の頭を打つ」
これは、イエス・キリストがサタンの頭を踏み砕いて、致命傷においやることを意味します。
具体的には、イエス・キリストの復活の預言です。この出来事はすでに成就しました。
また、それだけではなく将来成就する預言も含まれています。(ロマ書16:20, 黙示録20:10)
④「おまえは、彼のかかとを打つ」
これは、サタンがイエス・キリストのかかとに噛み付くことを意味します。
具体的には、イエス・キリストの十字架の預言です。この出来事はすでに成就しました。
用語説明 : サタン
サタンは、もともとは、天使界で神に使える「天使の長」でした。ところが、自らが神に変わって権力と地位を得ようと反逆し、堕天使(堕落した天使)となり下がってしまいました。その上1/3にも及ぶ天使たちを仲間に加え、「堕天使の長」として君臨したのです。
サタンは「悪魔」とも呼ばれています。
ちなみに天使は、神によって創られた被造物です。
天使の絶対数は一定で、その中で3分の1の天使はサタンに惑わされてしまい堕天使(堕落した天使)となりました。それらは「悪霊」と呼ばれています。
残りの3分の2の天使は、良い天使として今も神に仕えています。
用語説明:反キリスト
反キリストは、サタンの子孫として出現する人物です。将来来たるべき「大患難時代」と呼ばれる時代に暗躍します。しかし最後は、女の子孫であるイエス・キリストによって打ち負かされることが決まっています。
つづいては、まだ成就していないサタンへの裁きについて見ていきましょう。
予備知識:終末時代に起こる出来事(時系列)
・現在
・携挙
・大患難時代
・ハルマゲドンの戦い
・イエス・キリストの再臨
・サタンのアブソスへの閉じ込め
・千年王国の始まり
・サタンのアブソスからの解き放ち
・白い御座の裁き
・サタンの火の池での苦しみ
・新天新地の始まり
サタンは天からの追放される?(大患難時代)
サタンは、大患難時代の中間で、天から追放され地上に落とされます。つまり天的領域へのアクセスが絶たれ、地上的領域でしか活動できなくなるのです。
ヨハネの黙示録 12:7~9
12:7 さて、天に戦いが起こって、ミカエルとその御使いたちは竜と戦った。竜とその使いたちも戦ったが、8 勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。9 こうして、その大きな竜、すなわち、古い蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれる者、全世界を惑わす者が地に投げ落とされた。また、彼の使いたちも彼とともに投げ落とされた。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
ヨハネの黙示録 12:10~12
12:10 私は、大きな声が天でこう言うのを聞いた。「今や、私たちの神の救いと力と王国と、神のキリストの権威が現れた。私たちの兄弟たちの告発者、昼も夜も私たちの神の御前で訴える者が、投げ落とされたからである。11 兄弟たちは、子羊の血と、自分たちの証しのことばのゆえに竜に打ち勝った。彼らは死に至るまでも自分のいのちを惜しまなかった。12 それゆえ、天とそこに住む者たちよ、喜べ。しかし、地と海はわざわいだ。悪魔が自分の時が短いことを知って激しく憤り、おまえたちのところへ下ったからだ。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンはアブソスに閉じ込められる?(千年王国)
サタンは、大患難時代の終わり、つまり千年王国が始まる前に、アブソスという所に閉じ込められます。
千年王国の終わりごろに一時的に解き放たれますが、それまでアブソスは封印されています。
ちなみに、アブソスとは、ギリシア語で「底知れぬ所」「深い穴」を意味します。
ヨハネの黙示録 20:11
20:1 また私は、御使いが底知れぬ所の鍵と大きな鎖を手にして、天から下って来るのを見た。2 彼は、竜、すなわち、悪魔でありサタンである古い蛇を捕らえて、これを千年の間縛り、3 千年が終わるまで、これ以上諸国の民を惑わすことのないように、底知れぬ所に投げ込んで鍵をかけ、その上に封印をした。その後、竜はしばらくの間、解き放たれることになる。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンは火の池への投げ込まれる?(新天新地)
サタンは、千年王国が終わったあと、つまり新天新地が始まる前に、火の池(火と硫黄の池)に投げ込まれます。そこでは永遠の苦しみが続きます。これが、サタンへの最終的な裁きの執行です。
このように、原福音で預言された裁きは、完全に成就しました。
ヨハネの黙示録 20:10
20:10 彼らを惑わした悪魔は火と硫黄の池に投げ込まれた。そこには獣も偽預言者もいる。彼らは昼も夜も、世々限りなく苦しみを受ける。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
マタイの福音書 25:41
25:41 それから、王は左にいる者たちにも言います。『のろわれた者ども。わたしから離れ、悪魔とその使いのために用意された永遠の火に入れ。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
続いては、サタンの裁きの全貌を踏まえ、信者の対応について見ていきましょう。
信者はサタンにどう対応すべき?
信者の取るべきサタンへの対応は、色々ありますが、具体的な5点をあげます。
(1) サタンの有限性を知る
(2) エス・キリストの執りなしを覚える
(3) サタンに対抗する
(4) 神の武具を身につける(特に御言葉)
(5) (例外)神がサタンを用いる
サタンの有限性を知る
サタンの力は、無限ではなく有限です。限定的ですから、神の許しの範囲を超えては何も出来ません。
サタンの力を過大評価して、過度に恐れることのないように、注意したいものです。
ヨブ記 1:12
1:12 主はサタンに言われた。「では、彼の財産をすべておまえの手に任せる。ただし、彼自身には手を伸ばしてはならない。」そこで、サタンは主の前から出て行った。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
ヨブ記 2:6
2:6 主はサタンに言われた。「では、彼をおまえの手に任せる。ただ、彼のいのちには触れるな。」
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
イエス・キリストの執りなしを覚える
信者は、イエス・キリストが執りなしを覚える必要があります。
イエス・キリストは昇天後、天の御座で信者のために執りなしの祈りを捧げて下さっています。大祭司としてのイエス・キリストの執りなしの祈りによって、信者は守られ強められます。
ヨハネの福音書 17:15
17:15 わたしがお願いすることは、あなたが彼らをこの世から取り去ることではなく、悪い者から守ってくださることです。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
ローマ人への手紙 8:34
8:34 だれが、私たちを罪ありとするのですか。死んでくださった方、いや、よみがえられた方であるキリスト・イエスが、神の右の座に着き、しかも私たちのために、とりなしていてくださるのです。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
ヘブル人への手紙 7:25
7:25したがって、ご自分によって神に近づく人々を完全に救うことがおできになります。いつも生きていて、彼らのために、とりなしをしておられるからです。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
サタンに対抗する
信者は、サタンに対抗する必要があります。
いくらイエス・キリストの執りなしがあるからといって、信者が何もしなくてもいいということではありません。サタンの攻撃にたいして抵抗しなくてはならないのです。
抵抗するにしても、神に従うこと、堅く信仰に立つことを忘れてはいけません。また、ののしって挑発したり、縛ろうとしてこちらから先手攻撃をしかけることは避けるべきです。
ヤコブの手紙 4:7
4:7 ですから、神に従い、悪魔に対抗しなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げ去ります。引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
第一ペテロへの手紙 5:9
5:9 堅く信仰に立って、この悪魔に対抗しなさい。ご存じのように、世界中で、あなたがたの兄弟たちが同じ苦難を通ってきているのです。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
ユダの手紙 8~9
8 それにもかかわらず、この人たちは同じように夢想にふけって、肉体を汚し、権威を認めず、栄光ある者たちをののしっています。9 御使いのかしらミカエルは、モーセのからだについて悪魔と論じて言い争ったとき、ののしってさばきを宣言することはあえてせず、むしろ「主がおまえをとがめてくださるように」と言いました。
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
神の武具を身につける(特に御言葉)
信者は、霊的戦いに備えて「神の武具」をみにつける必要があります。
「神の武具」を身につけるとは、言い換えれば信仰に堅く立つということです。特に、御言葉は剣となり、最大の武器になります。さらには祈りの力も欠かせません。
エペソ人への手紙 6:10~18
6:10 終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。11 悪魔の策略に対して堅く立つことができるように、神のすべての武具を身に着けなさい。12 私たちの格闘は血肉に対するものではなく、支配、力、この暗闇の世界の支配者たち、また天上にいるもろもろの悪霊に対するものです。
13 ですから、邪悪な日に際して対抗できるように、また、一切を成し遂げて堅く立つことができるように、神のすべての武具を取りなさい。14 そして、堅く立ちなさい。腰には真理の帯を締め、胸には正義の胸当てを着け、15 足には平和の福音の備えをはきなさい。16 これらすべての上に、信仰の盾を取りなさい。それによって、悪い者が放つ火矢をすべて消すことができます。
17 救いのかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち神のことばを取りなさい。18 あらゆる祈りと願いによって、どんなときにも御霊によって祈りなさい。そのために、目を覚ましていて、すべての聖徒のために、忍耐の限りを尽くして祈りなさい。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
第一ヨハネへの手紙 2:14
2:14 幼子たち。私があなたがたに書いてきたのは、あなたがたが御父を知るようになったからです。父たち。私があなたがたに書いてきたのは、初めからおられる方を、あなたがたが知るようになったからです。若者たち。私があなたがたに書いてきたのは、あなたがたが強い者であり、あなたがたのうちに神のことばがとどまり、悪い者に打ち勝ったからです。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
(例外)神がサタンを用いる
信者は、神が例外的にサタンを用いる事を知っておくべきです。
サタンが、神の許可の範囲を超えて活動できない事は、すでに見てきた通りです。ヨブ記にあるように、神が制限を加える場合があります。また、神はご自身の主権によって、サタンの働きをいつでも阻止することができます。と同時に、信者の訓練、教育のために、神があえてサタンを用いる場合もあります。
ですから、困難がやってきた時に、サタンにフォーカスしすぎるのではなく、その背後にある神の主権を、常に覚えておく必要があるのです。
第二コリント人への手紙 12:7~10
12:7 その啓示のすばらしさのため高慢にならないように、私は肉体に一つのとげを与えられました。それは私が高慢にならないように、私を打つためのサタンの使いです。8 この使いについて、私から去らせてくださるようにと、私は三度、主に願いました。9 しかし主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。わたしの力は弱さのうちに完全に現れるからである」と言われました。10 ですから私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。
引用元:聖書新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
「 サタンの裁き・信者の責務 」のまとめ
この記事では、この記事は、「サタン論 (4) サタンの裁き・信者の責務 」を取り上げました。
具体的には、以下の6 項目です。
❶ 原福音と十字架
❷ 天からの追放(大患難時代)
❸ アブソスへの閉じ込め(千年王国)
❹ 火の池での苦しみ(新天新地)
❺ 信者のサタンへの対応
❻ 「 サタンの裁き・信者の対応」のまとめ
サタンへの裁きは、原福音においてすでに預言されており、十字架によって部分的に成就しました。残りの裁きは、段階的に完全成就していきます。
今後サタンは、大患難時代において、天から追放され、天的領域での活動ができなくなります。そして千年王国が始まる前には、アブソスというところに閉じ込められるため、地上的領域でも活動することができなくなります。新天新地が始まる前には、火の池へ投げ込まれてしまいます。
さて、サタンの裁きが神の計画通り進むことを知った信者は、サタンに対してどのような対応をすればよいのでしょうか。信者は、サタンの力を過大評価して恐れる必要はありません。サタンは有限な存在であり、神の許可の範囲でしか活動できないからです。
信者は、イエス・キリストの執りなしの祈りによって守られ、力を与えられます。ですから、神の武具によって備え、御言葉と祈りによって抵抗すればよいのです。
そして、サタンの働きの中にある「神の主権」を認める必要があります。
この記事を通して、「 サタンの裁き・信者の対応」に関して理解が深まったでしょうか。
あなたの信仰生活に、なんらかのお役に立てれば幸いです。
次回は、「悪霊論(1) 悪霊の存在」をご一緒に学んでいきましょう。
この記事の参考資料
- 書籍 聖書が教える霊的戦い——神の国と悪魔の国の葛藤
中川健一著
ハーベスト・タイム・ミニストリーズ - ハーベスト聖書塾 神学講座4(聖書塾生専用教材)より
講師:中川健一
ハーベスト・タイム・ミニストリーズ
書籍 聖書が教える霊的戦いは、以下のリンクから購入可能です。
・日本版 ハーベストタイムミニストリーズ オンラインショップ https://harvestshop.net/jp/
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